2019 Fiscal Year Research-status Report
要介護高齢者歯科医療での実践知の修得を促進させるシミュレーション教育モデルの開発
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18K09879
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鳥井 康弘 岡山大学, 大学病院, 教授 (10188831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 肇 岡山大学, 大学病院, 講師 (00263591)
吉田 登志子 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (10304320)
武田 宏明 岡山大学, 大学病院, 助教 (20746044)
河野 隆幸 岡山大学, 大学病院, 助教 (80284074)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 要介護高齢者歯科医療 / シミュレーション教育 / 教育モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,昨年度の研究で得られた結果から何よりもまず基本的な治療技能の修得が必須で,シミュレーターを使用した頻回の基本的歯科治療トレーニングと要介護高齢者歯科治療のトレーニングを同時並行で行うことが必要であると考えられたため,研修歯科医43人を対象に,まず基本的な歯科治療を想定したシミュレーショントレーニング,すなわち窩洞・歯冠形成,歯内療法,相互実習での歯周基本治療,印象採得トレーニングを企画・実施し,アンケート分析を行った.次いで,高齢者歯科医療で重要となる摂食嚥下トレーニング,ポータブルユニットの使用方法,車椅子からあるいはそこへの移乗介助および体位変換のトレーニングおよび口腔ケアトレーニング,さらに外部の協力施設に依頼して研修歯科医に実際に在宅訪問診療を経験してもらい,それぞれの項目でアンケートをとって要介護高齢者歯科治療のシミュレーショントレーニングの効果を分析・検討した. その結果,まず基礎的トレーニングでは,臨床で役立ったという点について半数以上が窩洞・歯冠形成と歯内療法で非常に役立った,おおむね役立ったと評価し,相互実習ではおおむね役立ったと比較的高い評価が得られ,学生臨床実習での経験不足を反映していると思われた.高齢者シミュレーターを使用しての車椅子への移乗介助および体位変換トレーニングでは75%以上が主体的に参加し研修で経験しておくべきとし,摂食嚥下トレーニングでは見学・アシスタントが主体で相互実習は25%程度でしか経験できなかったものの,90%以上の者が臨床で役立つと回答するなど研修内容に関する評価は高く,積極的な姿勢でトレーニングを受けていることが伺えた.最後に訪問診療の実地研修においては,ほぼ全員がこの経験は将来の自分自身の歯科医療に役立つと評価し,また事前のシミュレーショントレーニングの必要性を認識しているという結果であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の研究結果に基づき,要介護高齢者歯科医療シミュレーション教育の前に基本的な歯科治療のトレーニングの必要性を認識し,それらを企画・実施して,今後もさらに充実させるためアンケート調査を行った.また,摂食嚥下研修,高齢者シミュレーター等を用いて,体位変換・移乗介助のトレーニング,口腔のケアおよび治療に関するトレーニング,さらに嚥下観察のトレーニングを企画・実施し,研修歯科医にアンケートを取るとともに,訪問診療の実地研修を行ってそのアンケートも収集したところ,ほとんどの者から肯定的な評価が得られるなど有意義な結果を得たことから,おおむね順調に進展していると判断した.ただし,令和2年1月からは新型コロナウイルス感染拡散防止のため多人数での実習の中止なども少なからず影響して,特に標準模擬患者(SP)を活用した医療コミュニケーション教育はさほど進展せず,内容はやや薄くなったことは否めない.
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Strategy for Future Research Activity |
訪問歯科診療の実地研修を行うことで,研修歯科医は事前のシミュレーショントレーニングの必要性を強く認識したことから,要介護高齢者シミュレーター・摂食嚥下観察用シミュレーターを使用したトレーニングをさらに充実する.そのためにシナリオ,実習内容の改善を図る.当然ながら,要介護高齢者を対象とした歯科医療は健常者への歯科医療よりもさらに高度な技能が求められるため,基礎的診療能力がある程度身についていないと,高齢者シミュレーターを使用したシミュレーショントレーニングにおいて技能の修得は容易でないと考えられる.そのため,基本的歯科治療トレーニングの内容もさらに考案,改善し,実施していく予定である.
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Causes of Carryover |
令和元年度は,令和2年1月より全国的な新型コロナウイルスの感染拡大も影響して,当初予定した機材入手が遅れることもあり,また実際のトレーニング環境・実施が容易でなくなったことも影響したため,経費残額が生じ,当初計画よりわずかではあるが遅れがでている.そのため今後の研究ではより多くの備品,消耗品の購入が必要となると考える,それによって,シミュレーショントレーニングの内容の改善,充実が図ることができると考える.
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Research Products
(1 results)