2018 Fiscal Year Research-status Report
舌運動による喉頭挙上訓練法の開発‐舌骨上筋群の筋力強化プログラムの検討‐
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18K09899
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
佐藤 豊展 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 助教 (80758699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴本 勇 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 教授 (30458418)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 喉頭挙上訓練 / 舌挙上 / 舌骨上筋群 / 嚥下 / 嚥下障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,以下2つのことを研究課題として取り組んでいる.研究1は,健常者や嚥下障害者を対象に舌の運動範囲・持続時間・運動強度と舌骨上筋群の筋活動の関係を明らかにすることが目的である.研究2は,喉頭挙上不全への舌運動訓練プログラムを提案することが目的である. 研究1は2018年度と2109年度の2年間,研究2は2020年度の1年間で行うことを予定してた.しかし、2018年度は本研究に先立ち,舌前方部での挙上運動による訓練が舌・口唇・下顎運動に与える効果を検証する必要性があると考え,パイロットスタディを行った. 研究デザインは,前後比較試験で舌挙上運動群と舌運動群 (Sham群) の2群に分けた.舌挙上運動群には,強度が舌圧50 %,運動持続時間が30秒,反復回数が3回,1日1セッション,週3日,4週間実施させた.Sham群には,舌の前後,上下,左右の移動運動を10回1セットとし,1日3セット,週3日,4週間実施させた.評価項目は,最大舌圧,舌の突出-後退,舌左右移動,下顎の挙上-下制,/pa/の交互反復,/ta/の交互反復,/ka/の交互反復とした.舌挙上運動群では,訓練前後で舌の突出-後退,舌左右移動,/ta/の交互反復,下顎の挙上-下制が有意に増加していた. パイロットスタディより,①舌挙上運動は内舌筋や外舌筋とともに舌骨上筋群の筋力を強化する可能性が示唆されたこと,②運動強度50 %では最大舌圧は強化されないこと,③舌の突出-後退,舌左右移動,/ta/の交互反復など前舌の課題は増加しており,奥舌で生成する/ka/や口唇で生成する/pa/の課題は増加しておらず,課題特異性があることが明らかになった. これらの結果は,2018年度の関連学会で発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は,訓練プログラムの立案に向けて,運動範囲,運動持続時間,運動強度を明らかにし,具体的な訓練法へと結びつなげることが目的の一つである. 研究代表者は本研究に先立って,舌前方部での挙上運動による訓練が舌・口唇・下顎運動に与える効果を検証する必要性があると考え,パイロットスタディを行った.パイロットスタディより,①舌挙上運動は内舌筋や外舌筋とともに舌骨上筋群の筋力を強化する可能性が示唆されたこと,②運動強度50 %では最大舌圧は強化されないこと,③舌の突出-後退,舌左右移動,/ta/の交互反復など前舌の課題は増加しており,奥舌で生成する/ka/や口唇で生成する/pa/の課題は増加しておらず,課題特異性があることが明らかになった. そのため,2018年5月に聖隷クリストファー大学の倫理委員会に倫理審査の申請をする予定であったが,2019年2月の申請になった.2019年3月に倫理委員会の承認が得られたため,時期を再調整して進めていく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
2019年3月に倫理委員会の承認が得られたため,時期を再調整して進めていく予定である.具体的には下記のスケジュールを予定している. 研究1:2019年5月に簡易表面筋電計測装置を購入して,電極の貼付部位を検討する (研究代表者と研究分担者).2019年6~8月に健常若年者を対象にパイロットスタディを行い,9月~12月に健常高齢者を対象に舌の運動範囲・持続時間・運動強度と舌骨上筋群の筋活動の関係を明らかにする.2020年1月から嚥下障害者を対象にデータを収集する.嚥下障害者の対象は,関連病院に依頼する予定である (研究代表者). 研究2:研究2では,研究1で検討した結果を踏まえ,喉頭挙上不全への舌運動訓練プログラムを提案する.
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Causes of Carryover |
本研究に先立ち,舌前方部での挙上訓練が舌・口唇・下顎運動に与える効果を検証する必要性があると考え,パイロットスタディを行ったため,本研究の開始が遅れた.そのため当初予定していた物品費,研究協力謝礼やアルバイト経費等が発生しなかった.2019年度は物品費,旅費,研究協力謝礼やアルバイト経費等に使用する計画である.
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Research Products
(9 results)