2019 Fiscal Year Research-status Report
「うま味」成分配合の口腔保湿剤を利用した新たな口腔乾燥症対策
Project/Area Number |
18K09903
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡田 和隆 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (80399857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 貴惠 北海道大学, 大学病院, 助教 (00455677)
近藤 美弥子 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (10631864)
山崎 裕 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (90250464)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 口腔乾燥 / 口腔保湿剤 / うま味 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、わが国は超高齢社会の進展により有病高齢者が増え、口腔乾燥を訴える患者が急増している。口腔乾燥に対し、唾液分泌能が残存している場合には咀嚼刺激や唾液腺マッサージ療法により積極的に唾液分泌を促すようにするが、高齢者では有効ではない場合が多く、対症療法として人工唾液や口腔保湿剤を使用することが多い。口腔保湿剤は口腔乾燥に非常に有効であり、今や高齢者の口腔乾燥に対し必須のものとなっている。 これまで唾液分泌を促進する味覚刺激には酸味が使用されてきたが、口腔内が乾燥している場合には粘膜への刺激が強く、疼痛を伴うこともあり、また、う蝕の危険性があるといわれている。これまでの研究により、うま味成分(L-グルタミン酸ナトリウム)は、酸味と比較すると量的または経時的に唾液分泌をより促進することが報告されている。しかしながら、濃度による唾液分泌量の違いに関する報告はまだ不十分であり、また、唾液分泌刺激におけるうま味刺激の適切な濃度に関する報告はまだない。 まず、うま味成分による刺激唾液分泌量が一番多く、かつ、ストレスを与えないない、うま味成分の至適条件を明らかにすることとした。65~75歳の口腔乾燥症高齢者を対象とする予定であったが、対象者のリクルートが困難であるため、口腔内や嚥下機能に問題のない健康な成人ボランティアを対象とすることした。これまでの研究で報告されている方法を用い、小唾液腺(口唇腺)唾液分泌量を測定する試験紙の作成を行った。この試験紙を使用し、予備実験として口唇腺唾液分泌量を測定することを確認した。現在、口唇腺唾液分泌量、総唾液分泌量、うま味刺激時ストレスを測定を行っている途中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究を遂行するにあたり、倫理申請に時間を要したため。また、研究計画や研究方法について、当初対象としていた口腔乾燥を有する高齢者をリクルートすることが困難となり、見直しを必要としたため。
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Strategy for Future Research Activity |
成人ボランティアのリクルートを早急に行い、口唇腺唾液分泌量、総唾液分泌量、うま味刺激時ストレスを測定を行う。これにより唾液分泌に最も適したグルタミン酸ナトリウムの至適濃度を設定し、うま味成分が配合された口腔保湿剤を開発する。
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Causes of Carryover |
研究の進展が遅れているため使用額が少額であった。計画通りの研究が遂行されることで使用が可能である。
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Research Products
(4 results)