2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of Asian age prediction method based on DNA methylation
Project/Area Number |
18K09910
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡 広子 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 特任講師 (60452588)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 雅恵 広島大学, 病院(歯), 助教 (10403627)
宮内 睦美 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 准教授 (50169265)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 口腔内試料からの年齢推定 / メチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、日本人を主な対象として唾液および歯牙検体の収集、トライアルサンプルを用いた実験ターゲットの決定、 情報管理を含めたサンプル処理、リアルタイムPCRデータ解析を始めた。唾液については予定よりも早く特定の年齢層のアジア系検体も日本人検体と同程度(13~15検体)に収集できたため、予備的な検討として年齢に関連するとの報告のあるEDAREDDおよびELOVL2について条件・年齢層・国籍を絞った唾液の解析結果とその比較を行った。その結果、20歳台の唾液のメチル化スコアは日本人とその他のアジア系(カンボジア、ベトナム、インドネシア等)で有意な差が認められなかった。また、検体の保存状態にリアルタイムPCRの高解像度融解曲線を用いたD NAメチル化スコアが大きく影響を受けることが判明した。この2点について、本研究の予備的なデータとして、日本法歯科医学会学術大会において中間報告を行った。しかしながら、20歳台以外の検体数はまだ少なく、平成30年度は検量線を作成しての検討には至らなかった。 歯牙については、年齢や抜歯に至った歯の状態に偏りはあるものの日本人の試料は40検体程度収集できている。予備検討を行ったところ、セメント質、象牙質、歯髄、歯石、歯牙全体に分けてのDNA抽出は可能であった。しかし、プライマーの設計およびリアルタイムPCRの実験条件検討がまだ完了していない。特に、象牙質とセメント質はモーターを用いて削り出したトライアルサンプルでは今回のリアルタイムPCRによるDNAメチル化スコアの測定は困難であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は、唾液および歯牙検体の収集、情報管理を含めたサンプル処理、リアルタイムPCRデータ解析を開始し、トライアルサンプルを用いた実験ターゲットの決定を行う予定であった。唾液については、学内および短期国際プロブラムで来日する協定校学生の協力を得て予定よりも早く20歳台の検体が収集できたため、予備的な検討として年齢に関連するとの報告のあるEDAREDDおよびELOVL2について条件・年齢層・国籍を絞った唾液の解析結果とその比較を行うことができた。その一方で、病院でのむし歯リスク検査の唾液残余検体数は少なく、20歳台以外の年齢層の検体が不足している。また、検体の保存状態によってもリアルタイムPCRの結果が影響を受けることが判明し、今後保存条件を一定にした検体を用いての検討が必要となった。 歯牙については、アジア人の検体を集めることがほとんどかなわないため、現在日本人の検体で条件検討を行っており、収集した検体についても各部分分けてのDNA抽出に時間を要している。歯牙の検体収集や条件検討が困難となることは、当初より想定しており、その分唾液を用いた検証を先に進めている。以上のことから、全体として概ね予定通り進捗していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度(2019年度)は、唾液検体については口腔検査センターに再度状況を説明して少量の残余検体も積極的に収集し、特に日本人については全年齢層(10歳台以下、10.20、30、40、50、60、70歳台以上)の唾液検体を50検体(男女各25個程度)ずつそろえ、保存状態をそろえた唾液検体での検量線と歯牙のリアルタイムPCR高解像度融解曲線分析条件の確立を目指す。また、歯牙検体については、各部分のDNAについて、リアルタイムPCRのプライマーの検証と条件確立を目指す。
|
Causes of Carryover |
唾液検体を用いた検討については実験条件を当初の予定よりも早く確立することができ、20歳台の日本およびアジア系の検体が現時点で 順調に収集されていることから、平成31年度以降に計画していた多国籍検体を用いたメチル化と年齢推定の関連の検証を前倒して開始した。この検証に必要な消耗品を前倒して購入する必要が生じたため、平成30年度に次年度分から20万円の前倒し請求を行った。平成30年度使用額は当初の金額よりも多くなり、次年度使用分が生じた。これについては、次年度予算と合わせ、メチル化スコアを測定するための試薬購入に用いる。
|
Research Products
(1 results)