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2019 Fiscal Year Research-status Report

黄色ブドウ球菌の咽頭保菌の実態解明および口腔保健行動による除菌の検討

Research Project

Project/Area Number 18K09917
Research InstitutionSaitama Prefectural University

Principal Investigator

村井 美代  埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (00200254)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords黄色ブドウ球菌 / 咽頭保菌 / 鼻腔保菌 / DNA型別 / MRSA
Outline of Annual Research Achievements

黄色ブドウ球菌、特にMRSAの感染対策として保菌調査が行われる。調査部位はもっぱら鼻腔であるが、咽頭保菌者も多い。また鼻腔の除菌法は確立されているものの、健常者の咽頭保菌の除菌については対策が定まっていない。
平成30年度の研究では、保菌調査を培養検査で行い、鼻腔と咽頭の保菌率と菌株の異同、追跡調査による菌株の入れ替わりについて、培養したコロニー1個について遺伝子型別を行い検討してきた。その際、1人1部位につき1コロニーをピックアップするだけでは、複数菌株を保菌しているケースを見逃す恐れがあり、菌株の入れ替わりを正しく評価できていない可能性に行き当たった。
令和元年度は、今後の介入研究実施に先立って、保菌調査において複数菌株の保菌も正しく評価することを目的に、検体である鼻腔拭い液と咽頭拭い液から直接黄色ブドウ球菌の遺伝子を抽出して遺伝子型別を試みた。その結果、鼻腔検体では、PCRのサイクル数30回で型別のPCR結果が良好に得られること、保菌検体18中2検体に型が異なる2クローン存在することが確認できた。一方、咽頭検体では、サイクル数30回では目的のPCR産物が得られず、サイクル数を35回に増やすと非特異的な産物が出現するため、型別に至らなかった。この結果は、咽頭は常在菌の棲息数が鼻腔より格段に多いため、黄色ブドウ球菌の相対的な存在比が低いことに起因すると推定される。
また、これまでの保菌調査で追跡調査が終わって対応表を破棄した対象者について、保存菌株を用いてMRSAの保菌を確認した。対象者述べ313名中、2名が鼻腔と咽頭の両方、1名が鼻腔のみ、もう1名が咽頭のみ、計4名がMRSAを保菌していた(保菌率1.3%)。2年連続でMRSAを保菌している対象者はおらず、4名は異なるMRSAクローンを保有していることが明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

次年度以降の介入研究に向け、令和元年度は保菌調査における黄色ブドウ球菌の検出方法を、検体から直接抽出したDNAを用いて黄色ブドウ球菌のクローンを特定できるかに取り組んだ。その結果、鼻腔では良好な結果が得られたのに対し、咽頭では未だ明確な結果は得られていない。今後さらに詳細なPCR条件の検討を重ねる必要がある。

Strategy for Future Research Activity

令和2年度は、新型コロナウイルス感染流行の影響で、鼻腔や咽頭の検体採取を伴う研究の実施を見送る。引き続きアンケート調査の解析と、咽頭拭い液から直接抽出したDNA溶液の残りを用い、黄色ブドウ球菌型別のためのPCR条件の確立を行う。
新型コロナウイルス感染症の終息後、口腔保健行動の介入により咽頭保菌が抑えられるかを検討する。

Causes of Carryover

実習日程の関係で、予定していた令和2年1月の臨床微生物学学会での発表が出来なかった。2月の細菌学会には、別予算で参加した。次年度はもう少し計画的に学会発表を増やしたい。また論文投稿が遅れており、英文校閲などのために次年度に繰り越した。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 若年健常者の保菌調査で得られたMRSAクローンの多様性2020

    • Author(s)
      村井美代、岸井こずゑ、前川純子
    • Organizer
      第93回日本細菌学会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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