2020 Fiscal Year Research-status Report
歯周炎の初期臨床モデル:歯肉溝フローラコントロールによる歯周炎予防法の開発
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18K09923
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
田中 とも子 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (70307958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八重垣 健 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (40166468)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | バイオフィルム / 歯周病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は新型コロナウイルス感染症の流行により予定通りの研究実施は叶わなかった。そこで、本研究を論文にまとめるにあたり補足的な実験を実施した。 本研究は、人工プラーク作成の第一段階としてのペリクルの必要性を確認する目的で行った。人工的なペリクルの形成方法はOguchi Rの方法に従い、ヒト唾液を遠心分離し、PBS(-)により2倍希釈容液を培養容器(96穴マルチウェルプレート、8穴チャンバーカバーグラス)に60分間作用させた。その後、OD1.5に調整したS.gordonii(S.g)の懸濁液を培養容器に播種した。ヒト唾液の2倍希釈容液を作用させないものをNCとした。OD測定では、96穴マルチウェルプレートで24時間培養したS.gをDDWにより3回洗浄後、1穴あたり200μL の0.1%クリスタルバイオレット(CV)染色液で5分染色した。さらに、DDWにより3回洗浄後95%エタノール30分で溶出させ、590nmにてプレートリーダーでODを測定した。顕微鏡観察では、8穴チャンバーカバーグラスで24時間培養したS.gをDDWにより3回洗浄後、1穴あたり200μL の1%CV染色液で10分染色した。さらに、DDWにより3回洗浄した後、倒立顕微鏡にて観察を行った。 OD値はペリクルなし群で0.1406±0.01761、ペリクルあり群で0.1406±0.4434で統計学的に有意な差があった(p<0.05)。さらに、クリスタルバイオレット染色後顕微鏡観察では、ペリクルあり群のS.gの付着量が明らかにペリクルなし群より多いことが確認された。以上の結果から人工ペリクルによりS.gの付着量が多くなることが確認できた。先行研究にも矛盾しない結果であることから、自然状況下の口腔状況の再現と効率的な人工プラーク形成のために人工ペリクルは不可欠であると判断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、研究施設への立ち入りが長期できず、使用予定の試薬等の供給が十分にされなかったことから、研究計画通りの研究実施は叶わなかった。しかし、このような状況下でも実施できる補足的な実験を行い、内容は「研究実績の概要」に示した。
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Strategy for Future Research Activity |
補助事業期間延長承認申請書を提出し、すでに承認されたことから、本年度行う予定の実験内容を来年度実施予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行により研究施設への長期の立ち入りができず、使用予定の物品の供給も十分ではなかったため、研究計画予定通りの研究実施は不可能と判断した。そのため研究補助事業期間再延長承認申請書を提出し、すでに承認を得ている。 次年度に本年度の研究を行い、研究費を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)