2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of a complex program to efficiently maintain oral and motor functions of elderly residents living in the mountainous area
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18K09933
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
原 修一 九州保健福祉大学, 保健科学部, 教授 (40435194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 宏子 国立保健医療科学院, その他部局等, 部長 (10183625)
小西 由里子 国際武道大学, 体育学部, 教授 (90178294)
山崎 きよ子 九州保健福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (20331150) [Withdrawn]
川崎 順子 九州保健福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (00389579)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高齢者 / 身体組成 / 運動機能 / 口腔機能 / サルコペニア / 体重支持指数 / 運動・口腔機能向上 / 中山間地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
宮崎県内A町高齢者174名の運動・口腔機能測定を実施した。運動機能は、膝伸展筋力、開眼片脚立位、握力、長座位体前屈、歩行時間:Timed Up & Go Testを測定した。口腔機能は、反復唾液嚥下テストを実施した。身体組成測定をBIA法で実施し、骨格筋量、体脂肪量(率)、骨量、骨格筋指数(SMI)を計測した。更に、運動習慣、町の介護予防事業参加の状況を質問紙で調査した。運動は、運動の種類と実施時間を調査し、週あたりのMetsを算出した。活動も同様に、週あたりの家庭菜園等の活動をMetsに換算した。分析は、サルコペニア診断基準(AWGS2019)に準じ、対象を健常群、1項目低下群、サルコペニア群(2項目低下)、重度サルコペニア群(3項目低下)に分類し、各運動・口腔機能、身体組成、運動習慣を比較した。 その結果、47名(27.0%)がサルコペニア群に、45名(25.2%)が重度サルコペニア群に分類された。サルコペニア群・重度サルコペニア群は、骨量、体重支持指数(膝伸展筋力÷体重)が正常群と比較し有意に低値であった。口腔機能は、サルコペニア群に有意な低下を認めた。各群の運動習慣は、正常群は週12.9Metsと最も多く、家庭菜園等の活動は、1項目低下群が週24.4Mets、サルコペニア群は週18.0Mets実施していた。運動の内容は、正常、Ⅰ項目低下群において、グラウンドゴルフ、散歩、ストレッチ、ラジオ体操などを頻回に行っていた。 以上の結果より、A町の高齢者におけるサルコペニア群・重度サルコペニア群は、転倒による骨折の危険が高いことが考えられた。また、3.0-4.5メッツ程度の運動の他に、2.0-2.5メッツ程度の運動(ストレッチや体操など)を頻度多く行うこと、運動習慣がなくても、運動以外(家庭菜園など)の活動を多く行うことが、サルコペニア予防につながる可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症により、2020年6月に予定していた、2019年同様の運動・口腔機能評価は中止となった。感染症が秋に終息すれば、運動・口腔機能評価を11月に行う計画があるが、不透明である。さらに、研究計画で予定していた、現在までの結果を基にした運動・口腔機能向上を目指したプログラムの構築と実施、プログラムの評価は、同じく新型コロナウィルス感染症の影響で難しくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
1.3年間の運動・口腔機能、身体組成の経時的変化の検討:新型コロナウィルス感染症の影響で、今年度の測定が可能であれば3年間、不可であれば、2018年度及び19年度のデータを用い、運動・口腔機能、身体組成の変化と、向上または低下における相互関連性、運動習慣や食習慣との関連性を検討する。今年度の測定が可能であれば、新型コロナウィルス感染症による閉じこもり、不活発や家庭内での取組と運動・口腔機能の変化との関連性を検討する。 2.運動・口腔機能維持向上プログラムの提案:現在までの分析結果を元に、ICTを用いた、認知機能の維持向上の要素も含む、運動・口腔機能・発話機能のプログラムを構築する。iPadやDVDを用い、セルフケアまたは集団での実施が両方共に可能なものを提案する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症による、A町高齢者との接触や町担当者との打ち合わせが困難となり、かつ、その影響を含めた研究の遅れにより、当該年度分として挙げていた、運動・口腔機能向上プログラムを導入するためのiPadの購入や、関連する人件費を次年度に繰り越した。次年度は、新型コロナウィルス感染症の状況を見ながら、今年度不可能であった運動・口腔機能向上プログラムの導入費用として、当該資金額を使用する。
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Research Products
(2 results)