2019 Fiscal Year Research-status Report
地域包括ケアシステムにおける「生活支援体制整備事業」のモデル化と有用性の実証
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18K09943
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
白山 靖彦 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (40434542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳沢 志津子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (10350927)
岩本 里織 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (20321276) [Withdrawn]
永廣 信治 徳島大学, 病院, 病院長 (60145315) [Withdrawn]
竹内 祐子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (80457316)
市川 哲雄 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (90193432)
吉岡 昌美 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (90243708)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 地域包括ケアシステム / 生活支援体制整備事業 / 通いの場 |
Outline of Annual Research Achievements |
【2019年度の研究実績】 一部対象地域を広げたことにより,倫理審査委員会での修正承認を行ったのち,2018年1月から2019年9月まで,徳島県内の那賀町,阿波市,阿南市,美馬市木屋平地区にて通いの場を利用する65歳以上の高齢者各100名を対象とし,個人属性(年齢,性別)と基チェックリスト5項目,主観的健康感(SF-8),EUROQOL,主観的幸福感を指標とするアンケート調査を実施し,分析検討した. 分析対象数は,那賀町N=106,阿波市N=76,N=169,美馬市木屋平地区N=111であった.特に指標に用いたSF-8に関しては,それぞれの地域についてばらつきはあるものの,国民標準値より有意に得点が高い得点の項目が認められた.すなわち,通いの場を利用している者は,一般の65歳以上(70-75歳の範囲でも比較)に比べて,身体的・精神的健康感が保たれていることが分かった.また,基本チェックリストにおいて1つ以上該当した社会的フレイル傾向群と全く該当しなかった非社会的フレイル傾向群において比較検討したところ,身体的サマリースコア及び精神的サマリースコアの得点差に有意差が認められた. さらに美馬市木屋平地区の75歳以上に限定した統計学的比較では,通いの場の利用状況が,社会的フレイル群の方が有意に多く,地域保健活動による成果を定量的に評価できた意義は大きい. 以上の知見から,関連の学術集会においてポスター発表・論文投稿を行い,2019年度中に論文がすでにアクセプトされている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【現在までの進捗状況】 1.第1回目調査状況について 本研究は,当初3年間のうち,徳島県内の那賀町,阿波市,阿南市,美馬市木屋平地区の各か所において,通いの場を利用する65歳以上の高齢者約100名対象としたアンケート調査を2回実施予定しており,1回目はすでに終了している.その中で,高齢者が主に利用する通いの場の内容は,①運動など健康体操を主とするもの,②料理やカラオケなど社会的交流を主とするもの,①と②が組合せと,大別して3パターンががあることが分かった.また,通いの場を通じて身体・認知面だけでなく,社会的側面に好影響を及ぼすことが示された.特に美馬市木屋平地区に関しては,活発な地域保健活動により,社会的フレイル傾向が強い対象者ほど通いの場に誘導されていることが判明し,論文化した. 2.「通いの場」のモデル化について 1の1回目の調査結果から,おおよそのモデル化は図れたものの,分担研究者間における検討会議がメールのみでしか開催されておらず,完全な定式に至っていない.また,モデル化を図る場合に,調査で用いた主観的健康感(SF-8)や主観的幸福感などの関連や差について詳細に統計学的に分析を要する.以上のことから,本研究について「おおむね順調に進展している」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
【2020年度における懸念事項】 2020年度に第2回目の実地調査を予定してるが,通いの場の提供施設である公民館や自治会館などの施設が新型コロナウイルスの感染拡大防止のために2020年2月頃より閉鎖され,今のところ開館の目途が立っていない.
そのため,本年度中の2回目調査の実施が懸念されるとともに,外出自粛などのアクティビティの低下により,高齢者のフレイル化がより進展する可能性が危惧されている.したがって,本研究期間を1年程度延期し,2021年度に2回目の調査を実施することを想定しておく.
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Causes of Carryover |
統計ソフトのバージョンアップ購入を2020年度に繰り越したため,差額が生じた.次年度購入し使用する予定である.
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Research Products
(16 results)
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[Presentation] 排泄支援のアドバイジングが看護意識にもたらした変化2019
Author(s)
湯浅 智恵子, 山中 朋子, 曽我部 香織, 沼田 和代, 川上 仁, 稲次 正敬, 湊 省, 稲次 圭, 稲次 美樹子, 森脇 好乃美, 髙田 信二郎, 白山 靖彦, 長谷川 裕一
Organizer
第3回徳島県地域包括ケアシステム学会学術集会
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