2019 Fiscal Year Research-status Report
Relationship between Mental health problems and cognitive functions of victims 27yeas after the Volcanicdisasters of Mt.Unzen Fugendake.
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18K09946
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
木下 裕久 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (10380883)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 精神医学 / 社会精神医学 / 災害精神医学 / PTSD / 認知症 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、6月20日から新潟市で開催された、第115回日本精神神経学会学術総会にて、これまでの研究成果と今後の調査についての経過報告をポスター発表した。会場では、長期間のPTSD症状推移についての評価方法への疑問や、認知機能評価に関しての助言等を頂いた。その後これまでの研究成果をまとめた英語論文の作成に取り組んだ。学会発表で受けた質問や、論文制作中に生じた疑問や査読者からの助言(対象地域の設定や有効回答率が下がっていることへの対応等)を参考にし、研究計画を修正することとなった。その過程で、調査対象地域と比較地域の選定を見直した結果、島原地区だけでなく、比較地域として県内の他の地域(諫早市、大村市)を再設定した。実地方法は地域の健康診断会場での依頼だけでなく、地域の高齢者の集まりや、施設入所中の方への依頼を検討することにした。また調査票の内容を認知機能の評価に関する部分について、一部変更することとなり、令和元年度は、実地調査は行わなかった。英語論文は令和元年9月以降、提出と修正を重ねた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度は、これまでの研究成果を日本精神神経学会で発表し、学会参加の専門の先生や一般の先生方から幾つかご指摘を得た。また英文専門誌への投稿を3回試みた。 今回の学会発表や論文投稿の過程で研究方法や調査項目について貴重なアドバイスを多く頂いた。 その結果調査対象や調査項目について詳細を見直すことになり、令和元年度は、実質的な調査は行わず、調査計画を修正することになった。具体的には、認知症の重症度を測る調査票をMOCA-JからMMSEに代える。対象地域だけでなく、県内の別の地域(諫早市、大村市)でも同様の調査を行い、比較検討ができるようにする。また地域住民対象だけでなく、施設入所者や身体疾患あるいは精神疾患での入院患者も対象とするなどを検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年初頭からのコロナウィルス対策が、4月以降全国に波及する事態となり、地域社会においても医療関係においても不測の事態が続いている。対面調査そのものが困難となる事態である。このため、令和2年度は、地域住民対象の調査は一旦延期とし、その代替案として、対象地域の施設や病院に依頼し、対面を伴わない、カルテ調査や介護日誌による調査を行うことを検討している。また比較のため、同様の調査を長崎県内の別の地域でも行う予定である。しかしこれらも、早く見積っても9月以降となることが予想される。最悪の場合、令和2年度調査を全て令和3年度以降に移して行うことも検討に値する。またさらなる延期をさけるために、オンライン調査も試みたいと考える。しかし、調査項目の多さや、プライバシー保護の観点から、困難が予想される。もし、オンライン状況で調査を行う場合は、あくまで、パイロット調査の位置付けで、例えばグーグルフォームなどのオンラインのアンケートツールを使った施設職員、病院職員、もしくは同居家族による代理返答による調査となることが考えられる。このプロトコールの変更となった場合は、大学の倫理委員会への再提出などの手続きが必要と考える。対象者やその関係者への負担がなるべく少なくなるよう、今後の日本国内全体および県内、対象地域、比較地域の社会情勢、医療体制などを検討しつつ、有益な調査となるよう取り組んで行きたい。
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Causes of Carryover |
令和元年度は、学会発表の旅費や英語論文制作のための英文校正費などの使用が多かった。調査項目や調査対象の見直しのため時間がかかり、当初予定していた現地調査が実施できず、そのための旅費や調査員への謝金等が発生しなかったため、次年度使用が生じることになった。令和2年度は、引き続き論文発表を行っていくための英文校正費と次の調査のための印刷費、人件費、旅費、対象者および対象施設への謝金などを使用する予定である。
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Research Products
(2 results)