2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K09955
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
松本 邦愛 東邦大学, 医学部, 准教授 (50288023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 友紀 東邦大学, 医学部, 教授 (10198723)
北澤 健文 東京家政大学, 健康科学部, 准教授 (30453848) [Withdrawn]
藤田 茂 東邦大学, 医学部, 講師 (50366499)
瀬戸 加奈子 東邦大学, 医学部, 助教 (50537363)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 医師需給 / 医師偏在 / 働き方改革 / 医療政策 / 医療経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で予定した研究は以下の5つの項目である。(1)既存研究のレビューによる医師の勤務実態の把握、(2)臨床の医師に対するヒアリング調査、(3)長時間労働を制限した場合の医師需給の推計、(4)医師の高齢化による医師偏在の推計、(5)海外におけるヒアリング調査。このうち、令和2年度では、(3)、(4)に関して研究を進めた。 (3)に関しては、医師不足が深刻とされる産科医師に関して、医師需要を考慮して医師偏在指標を再計算した。三次医療圏、周産期医療圏ごとに集計した場合、元の医師偏在指標よりも医師需要を加味した医師偏在指標の方が、ばらつきが大きいことを明らかにした。結果は、国内学会で報告をした。 (4)に関しては、昨年度作成したデータベースを用いて推計を行い、産科医師に関して年齢別の医師の分布を求めた。また、研究を発展させて、産科の性別の医師の偏在に関して分析を進め、性別年齢別にジニ係数を計算し、ジニ係数を分解することで各性・年齢グループの寄与率を計算した。その結果、産婦人科医の地理的偏在が悪化した要因が女性医師の増加にあることを明らかにした。それと同時に若い女性医師グループ内でのジニ係数が低下傾向にあることを発見し、地域偏在が縮小傾向であることを明らかにし、女性医師の労働環境の改善が今後医師偏在の改善につながる可能性を見出した。研究結果は英語論文として発表した。 (2)(5)に関しては、Covid-19流行による移動制限のため、ほとんど進展がなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国内外のヒアリング調査は、Covid-19流行による移動制限のため、ほとんど進展がなかった。よって研究期間を延長した。オンラインを利用したヒアリングにも限界があるため、代替的な研究方法を考える必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画したヒアリング調査に関しては、オンラインを使ってできることは試みるが、それと同時に作成したデータベースを用いた新たな分析を加える予定でいる。具体的には、これまでしてきた産科の分析結果を他の診療科の分析と比較する予定である。こうした研究結果をまとめて、これまで発表した論文に加えて、新たな論文として報告する予定でいる。
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Causes of Carryover |
2020年度は、Covid-19流行による移動の制限のため、国内外のヒアリング調査がほとんどできなかった。やむを得ず、研究期間を延長した。
使用計画としては、資料等整理のための人件費・謝金、国内学会報告旅費、論文投稿料及び英文校正等、消耗品等を予定している。
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