2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of comprehensive support programs aiming at improving role and environment which contribute to recovery from mild cognitive impairment
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18K09958
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Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
籔脇 健司 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (20347280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 裕美 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (20444937)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 軽度認知障害 / リバージョン / 役割遂行 / 環境支援 / 作業療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は物忘れ相談プログラムMSP-1100(日本光電)を2台購入し,調査に必要な基本的・医学的情報入力シートなどの質問紙を作成したうえで2018年7月より調査を開始した.調査依頼施設は介護保険の通所介護6か所,通所リハビリテーション1か所,訪問看護1か所であった.このうち,通所介護の対象者は介護予防・日常生活支援総合事業の利用者である.その他,認知症疾患医療センターと精神科デイケア,各1か所に依頼したが,対象者の条件に合致する者がいなかった. 対象者数は年度末時点で約80名であるが,MSP-1100に含まれるTDASプログラムによって,少なくとも15名以上が軽度認知障害(MCI)の可能性が高い予防域と判定された.これらの対象者は,認知機能,役割遂行,環境要因の経時的変化を明らかにするために,初回調査から6か月後,12か月後,18か月後に追跡調査を実施する. また,本研究の一環として,高齢者の環境要因を包括的に評価することでMCIのリスクを判断することが可能かを検討するために,ROC曲線によって包括的環境要因調査票(CEQ)のカットオフ値を算出した.その結果,対象者のMCIを判断するためのCEQのカットオフ値は41点(感度0.786,特異度0.600)であった. CEQは,安心生活環境,相互交流環境,家族環境の3因子14項目を4件法で評定する質問紙であるが,概ね各項目が「ある(3点)」の状態(合計42点)であればMCIになるリスクは低下することが明らかとなった.ただし,CEQのAUCは0.631と許容可能な分類の基準(Hosmer, et al., 2013)とされる0.7には達しなかったため,横断研究が終了した時点で再度の分析が必要となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は,横断研究と縦断研究(前向きコホート)で構成される.横断研究は,非常にスムーズに開始されたが,予定された対象者数を確保することはできていない.今回の調査では,3台のMSP-1100を使用するため,同時にデータ収集ができるのは3か所に限定される.そのような状況のなか,調査が可能であると考えられた2施設でデータ収集不可となったため,進捗状況に遅れが出ている.
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Strategy for Future Research Activity |
多くのデータを効率良く収集できるよう,今後の調査依頼は法人内に関連施設を多くもっている施設に行う予定である.また,MSP-1100を所持している機関と連携したデータ収集を実施すべく,関係者と交渉を進めていく.
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