2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of comprehensive support programs aiming at improving role and environment which contribute to recovery from mild cognitive impairment
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18K09958
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
籔脇 健司 東北福祉大学, 健康科学部, 教授 (20347280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 裕美 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (20444937)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 軽度認知障害 / リバージョン / 役割遂行 / 環境支援 / 前向きコホート |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は研究1のデータ分析を開始した.対象者73名の平均年齢は80.6±7.9歳で,役割遂行の数の平均は,過去8.8±1.3,現在4.4±1.7,将来4.9±1.8,包括的環境要因調査票の平均は,安心生活環境18.2±3.2点,相互交流環境16.4±3.5点,家族環境5.6±1.8点,Frenchay Activities Index(FAI)合計は平均20.5±7.3点であった. 一元配置分散分析の結果,教育歴(p<.05),FAI合計(p<.05),過去の役割遂行の数(p<.05)に有意な差が認められた.多重比較による分析では,FAI合計で正常域と認知症域(p<.05),予防域と認知症域(p<.05),過去の役割遂行の数で正常域と認知症域(p<.05)の群間に有意な差が認められた. 教育歴が認知症の発症リスクと関連することは,先行研究からも明らかであった.手段的ADL能力の低下もPetersenら(2011)によって指摘されているが,分析結果より,MCIでは実施頻度まで低下しないことがわかった.本研究では,過去(出生から3か月以前まで)の役割遂行の数が,認知症の発症に関連することが明らかとなった.今後,予防域(軽度認知障害相当)・正常状態・認知症高齢者間における構造的関連性の違いを多母集団同時分析にて分析する. 研究2(追跡調査)では,6か月後19名,12か月後17名のデータ収集が完了し,18か月後以降のデータを継続して収集している.2021年度は追跡調査のデータ収集やさらなる分析を通して軽度認知障害のリバート因子を明らかにし,それらを支援する方法について,保健師,作業療法士,理学療法士,認知症予防専門士などによるコンセンサス法を実施して検討する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画で予定されていた18か月間の追跡調査は2021年5月に終了予定である.その後,分析と多職種による検討を行い,包括的な役割・環境支援プログラムを作成する.
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Strategy for Future Research Activity |
追跡調査の時系列データを潜在曲線モデルにて分析予定であるが,サンプルサイズが小さいため,ベイズ推定を活用した検討を考えている.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の流行により,県外移動制限や会議開催自粛となり,関連の予算を執行しなかったため. 翌年度に繰り越した予算は,Web会議環境の整備や論文投稿の費用などに充当する.
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