2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of educational system using video review in general practitioner training program.
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18K09971
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
後藤 道子 三重大学, 医学系研究科, 講師 (10608946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 洋典 千葉大学, 医学部附属病院, 特任講師 (00335142)
若林 英樹 三重大学, 医学部, 寄附講座教授 (00378217)
北村 大 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (80595679) [Withdrawn]
関本 美穂 三重大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (00244583)
大西 弘高 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (90401314)
阿部 恵子 愛知医科大学, 看護学部, 教授 (00444274)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ビデオレビュー評価表信頼性評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度には、ビデオレビューの評価表及び評価マニュアルを完成させた。ここまでの研究成果は、2022年の日本プライマリ・ケア連合学会で、「総合診療専攻医のための ビデオレビュー評価表開発(経過報告)」というタイトルで口頭発表した。2022年度は、その評価表が実際の診療場面で機能するかどうかを、専攻医の診療場面をビデオ撮影した映像を使って検証することとした。 ビデオレビュー評価表マニュアルを作成したのち、直接打診する形で、総合診療専攻医を養成するプログラムの指導医で、ビデオレビュー評価表の信頼性評価研究に協力ができる医師を数名募集した。研究協力を申し出た医師に対して、評価表の信頼性の評価を依頼した。 評価表は医療面接の各段階におけるコミュニケーション能力について8項目、一般的なコミュニケーション能力について7項目の計15項目で構成されている。3名の研修医が撮影した9本の外来診療場面のビデオを、2名の指導医が評価表を用いて評価した。合計18の評価を行い、一般性理論を用いて分析した。 解析の結果、15項目のクロンバックのα係数は 0.956という値が得られた。Φ係数は0.083と非常に低かった。ただし、項目間信頼性は非常に高かった。事例信頼性と評価者信頼性を同時に見た一般性係数は、有意に低かった。評価者間信頼性は特に低いが、これは評価者によって異なる可能性が高く、残念ながら信頼性試験としてはあまり成功したとはいえない。 考えられる要因としては、評価者のトレーニングが不十分であることや、ケースの難易度が低いことがあげられる。また、評価者が異なれば、結果も異なるかもしれない。結論として、評価者のの十分なトレーニングが必要であることが分かった。 以上のことから、来年度は、マニュアルの整備、マニュアルに基づき十分な標準化を行った上で、再度信頼性の評価を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遅れている要因として以下の3点を考える。 1.専攻医のビデオ撮影が難航したこと。研修施設のローテーション中であり、施設になれることを優先する必要があり、ビデオの撮影に至るまでに時間がかかってしまった。 2.専攻医の研修施設でコロナの良い性者が出たため、対面診療が電話診療となり、ビデオ撮影が一定期間出来なかったこと。 3.研究チームメンバーの人事異動や突発的な業務の発生など、想定外の出来事が多く発生し打ち合わせが数回中止になったこと。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度予定していた、ビデオ評価表の信頼性の評価の研究計画では、評価者間と事例のばらつきの度合い(事例が何例あれば安定するか)、それぞれを明らかにすることにしていたが、残念ながら、後者に関しては実施できていない。 前者に関しても、標準化が十分ではなかったことから、ばらつきが大きく信頼性が高くなかったので、1.マニュアルの見直し、2.十分は標準化をおこなった後、再度信頼性評価に取り組む予定である。 その結果をもって、プライマリケア連合学会の冬期セミナーで、評価表を用いたビデオレビューを用いた医療面接指導のワークショップを開催する予定をしている。 また、最終年度ということもあり、10月にオーストラリアで行われれる世界家庭医療学会(WONCA)で、これまでの成果を発表予定である。
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Causes of Carryover |
理由の一つは、コロナ禍で海外の学術大会での発表ができず、渡航費用として計上していた分が余っていること。もう一つは、研究計画に若干の遅れが生じており、その為謝金などの支払いができていないことが挙げられる。 2023年度は、新たな研究分担者が加わる予定で、そのことに伴う費用(分担金)、また、、遅れているビデオ撮影協力者への謝金、年明けに予定している冬期セミナーなどの開催費、それに関わる交通費、海外学会へ発表を予定していることから渡航費、論文投稿費、等に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)