2020 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical epidemiological study using big data in psychiatry
Project/Area Number |
18K09991
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
奥村 泰之 千葉大学, 医学部附属病院, 特任講師 (50554383)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ビッグデータ / NDB |
Outline of Annual Research Achievements |
NDBの公開データを活用して、精神病床退院後の地域生活日数を規定する地域要因を検討した。いろいろな都道府県が持つ特性の違いを考慮しても、精神病床数が多い地域は、少ない地域と比べて、地域生活の平均日数が短いと仮説を立てた。 分析地域単位は都道府県とした。従属変数を、精神病床退院から365日以内に全病床に入院していない地域生活の平均日数とした。独立変数を、人口10万対高医師配置の精神病床数、人口10万対低医師配置の精神病床数とした。その他の共変量として、人口10万対精神疾患総患者数、人口10万対精神科訪問看護実人数、在院患者数に占める措置・医療保護在院患者数、退院患者に占めるグループホーム入所数、退院患者に占める75歳以上患者割合、精神病床数に占める常勤精神保健指定医数とした。統計モデルは重回帰分析を用いた。 人口10万人あたりの低医師配置の精神病床数は、中央値(23位)の地域では282.3床、 下位5位(43位)の地域では166.2床であった。仮に、低医師配置の精神病床数を、282.3床から166.2床まで下げられたとした場合に、アウトカムが、どのように変化するかを調べた結果、全病床での地域生活日数が308.1日から312.9日へと4.8日長くなることが示された。 この結果は、地域における低医師配置病床数による供給者誘発需要の可能性を示唆する。本研究成果は、地域精神保健分野の強化等の施策により今後一層の入院中心から地域生活を進める上で、大切なエビデンスの一つになる。
|
Research Products
(9 results)