2020 Fiscal Year Research-status Report
薬剤耐性菌および抗菌薬使用の疫学解析によるAMR対策シミュレーションモデルの構築
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18K10001
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
西村 信弘 国際医療福祉大学, 福岡薬学部, 教授 (30529657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 千晶 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (70325059)
直良 浩司 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (90243427)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | AMR / ESBL / 抗菌薬 / 分子疫学解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の島根大学医学部附属病院で検出された大腸菌のうちESBL産生菌について、薬剤耐性判定、POT型解析、遺伝子解析を実施した。それまでの2年間および8年前の検出株の解析結果との比較を行った結果、5年前には検出されなかった新たなPOT型が検出され、ここ3年間においても、POT型が変化していることが明らかとなった。その要因として、抗菌薬使用動向との関連を検討した結果、カルバペネム系薬の使用量の減少に伴い、ESBL産生大腸菌の薬剤耐性の強度が低下している傾向が認められた。また、キノロン系薬の使用量には大きな変化は観察されなかったものの、キノロン耐性大腸菌の割合が減少していることが明らかとなった。また、PIPC-TAZの使用量増加、カルバペネム系薬からセフメタゾールへde-escalationなど、抗菌薬の適正使用推進の影響についても解析を追加する必要がある。 一方、ESBL産生菌(菌種を問わず)の検出状況をみると8年前から減少傾向はあるものの、どの菌種においても感性菌を含む検出数に閉める割合は、JANISサーベイランスの報告に比較して高い水準であり、感染伝播防止の面では対策が十分に機能していない可能性が考えられる。 高木病院でのESBL産生大腸菌の検出状況をみると、大腸菌に占める割合はさらに高い傾向が認められ、薬剤耐性パターンも島根大学病院での状況とは異なっていた。また、ESBLを産生する菌種についても島根大学病院での検出状況とは大きく異なっており、地域間での差が観察された。しかし、詳細な解析が継続中であり、抗菌薬使用動向との関連も含めて解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症の影響で、島根大学附属病院における検査業務、特にPCR検査が増加したため、細菌検査での研究的遺伝子解析の実施が制限されたため、十分な検体が確保できず、それに伴い解析も進んでいない。また、高木病院での状況も同様で、さらに2度の緊急事態宣言が発出され、福岡県での患者数増大が本研究の遂行に大きく影響した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度も継続して研究することとし、ESBL産生大腸菌に対する薬剤耐性、また、POT型解析、遺伝子解析を進め、抗菌薬使用量との関連性を明らかにする。島根大学病院においてはさらに2021年度に30-40株を追加解析する予定としている。また、高木病院においては、疫学調査を進めることにより、地域差および抗菌薬使用動向と多剤耐性の関連を明らかにする予定である。 また、JANISおよびJ-SIPHE 感染対策連携共通プラットフォームの情報との連携を行い、全国レベルでの統計との整合性を確認した上で、AMR対策シミュレーションモデルの構築を目指す。
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Causes of Carryover |
ESBL産生菌大腸菌のPOT型および遺伝子型解析を2021年度に検出された30株から40株を追加して実施する予定であり、その解析のための試薬代として使用する。また、学会での成果報告および論文作成のための費用として使用する予定である。
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Research Products
(4 results)