2021 Fiscal Year Research-status Report
Study of the educational effect by new methods of workplace-based teaching and assessment in clinical clerkship
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18K10004
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
赤池 雅史 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (90271080)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | クリニカルクラークシップ / 診療現場評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は4~6年次に対して新しい診療現場指導・評価方法を導入し、検証を行う予定としていた。しかし、2020年度よりもCOVID-19感染症がさらに拡大したため、クリニカル・クラークシップは、2021年1~12月の4~5年次必修では45週中10週、2021年1~7月の5~6年次選択では20週中12週で診療現場実習が中止あるいは大幅制限となり、オンラインで代替となった。このような状況をうけ、2021年度は必修実習履修を修了した5年次を対象にアンケート調査を実施し、臨床実習実績およびそれについての自己評価、指導体制・指導状況についての学生の評価、学生の満足度、学生の自由記載意見等のデータを収集し、2020年度データとあわせて、コロナ禍前の2019年度と比較した。この結果、学生の臨床実習実績は、担当患者数-21.8%、病歴聴取患者数-45.6%、身体診察患者数-46.9%、カルテ記載患者数-50.9%、カンファレンス症例提示患者数-39.2%、病状説明立会患者数等-48.9%と大幅に減少していた。一方、学生による評価(1~5点)では、病歴聴取、身体診察、カルテ記載、症例提示、医療手技、診療参加、指導体制・指導状況のいずれの項目もほぼ不変もしくはわずかな低下に留まり、総合的満足度(100点満点)については80.1点で、2018-2019年度平均の77.1点よりも有意に上昇していた。自由記載の分析では、対面実習中止を残念に思う意見が多数見られる一方で、オンラインレクチャーの充実により体系的な知識修得を肯定的に捉えている意見が多くみられた。これらの結果は、学生の満足度は、診療参加度そのものよりも、その結果得られる体系的な知識修得に依存しており、新たな診療現場指導・評価法導入による教育効果の検証においては、学生の自己評価や満足度を指標とすることの限界を示唆するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年1~7月に実施した5~6年次クリニカル・クラークシップ(学外を含む選択)については、その大部分が診療現場実習ではなくオンライン学習で代替となったため、アンケート調査の対象とできなくなった。このような予期せぬ状況をうけ、2021年度はクリニカル・クラークシップ(必修)の履修を修了した5年次を対象として、担当患者数、単独で病歴を聴取した患者数、単独で身体診察した患者数、カルテ記載した患者数、カンファレンスで症例提示した患者数、病状説明に立ち会った患者数等の臨床実習実績、病歴聴取、身体診察、カルテ記載、症例提示、医療手技、診療参加についての自己評価、指導体制・指導状況についての学生の評価、学生の満足度、学生の自由記載意見等のデータを収集し、2020年度のデータとあわせて、従来の旧カリキュラムの状況と比較検討した。これらによって、学生の満足度は、診療参加度そのものよりも、その結果得られる体系的な知識修得に依存しており、新たな診療現場指導・評価法導入による教育効果の検証においては、学生の自己評価や満足度を指標とすることの限界を示すことができた。これは、本研究の目的である新たな診療現場での指導・評価法の導入による教育効果について、新たな知見となるものであるが、2021年度は2020年度に続いてCOVID-19感染症拡大による臨床実習での学生の診療参加度の大幅な低下があったため、現在までの研究の進捗状況については「やや遅れている」と判断した。このため研究期間を2022年度まで延長することとし、計5年間で研究を完了する見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度はクリニカルクラークシップを履修する4~6年次に対して、COVID-19感染症の流行状況をみながら、miniCEX、実習ログ・ポートフォリオ、指導者との振り返りセッションの導入等の新しい指導・評価方法の導入促進を再開する。その上で、臨床実習実績、診療参加についての自己評価、指導体制・指導状況についての学生の評価、学生の満足度、学生の自由記載意見等のデータを引き続き収集する。このデータを用いて、各項目の結果について前年度までとの比較検討を行うとともに、満足度を規定する因子、学修成果を規定する因子の同定、実習週数増加や新しい教育手法との関連性についての検証を引き続き行う。また、自由記載によるテキストデータをもとに学生の意見の傾向及び特徴に関する質的分析を行う。これらによって、新しいカリキュラムや教育手法、ならびに臨床実習の実施内容が、学生の満足度や学修成果に及ぼす影響を明らかにする。得られた結果を基に、新たな診療現場での指導・評価法の導入が、学生の満足度や学修成果の向上等、クリニカル・クラークシップの教育の質の改善に寄与するか否か、さらにはそれらの問題点・課題ならびにその解決法は何かという、本研究課題で設定した学術的「問い」についての結論を明らかにする。新型コロナウイルス感染症により、新たな診療現場指導・評価方法の導入が困難であった場合は、診療参加への制限が臨床実習学生の自己評価や満足度に及ぼす影響を分析することで、診療現場指導・評価法導入の教育効果の検証における問題点・課題を明らかにし、本研究の目的を達成する方針とする。
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Causes of Carryover |
国内外の学会に参加して最新の情報を収集する計画であったが、COVID-19感染症流行の影響により、すべてがオンライン開催となり、当初予定していた旅費の執行が不要となった。また、本研究は、クリニカルクラークシップにおいて、miniCEX、実習ログ・ポートフォリオ、指導者との振り返りセッション等の新しい診療現場指導・評価方法の導入による教育効果を検証するものであるが、COVID-19感染症拡大によって、2020年度に続き2021年度も診療現場指導・評価方法の導入が大幅に後退してしまったため、研究遂行に想定以上に時間を要し、また、研究計画の見直しが必要となり、補助事業期間延長申請を行った。以上より、次年度使用額が生じた。2022年度はCOVID-19感染症の影響が軽減すると予想されること、また、その影響下におけるクリニカルクラークシップの状況と教育効果の関係を検討することによって、本研究の目的を達成することも可能であることから、2022年度は学会参加のための旅費、データ収集・分析に必要な物品費等で使用し、研究を完了する予定である。
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