2020 Fiscal Year Research-status Report
占領期医療政策の変遷を計量テキスト分析により検証する:文理融合の歴史研究法開発
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18K10006
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
杉田 聡 大分大学, 医学部, 教授 (00222050)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 占領史 / 保健医療史 / テキストマイニング / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画2年目の本年度においては、まずWeelly Bulletin復刻ファイルを年月日や見出しなどの分析においてノイズになる語句を除いたのち3つの時期(占領初期:1945-1947、占領中期:1948-1949、占領後期:1950-1952)ごとに分割し、テキストマイニングのデータ入力を行えるように加工した。 そのうち「nursing affairs」の章を抽出し、GHQ/SCAP/PHW(連合国軍総司令部公衆衛生福祉局)の看護に関する活動が占領期間中にある一定の変化を生じているかをテキストマイニングの解析ソフトであるKHcodarを用いて解析した。 その結果、各年代でどのような単語が多く出現しているかを分析する頻出語分析では各期間で多く出現する語句の上位5語句を並べたところ、占領初期では、①nurse:253、②school:100、③course:99、④nursing:93、⑤program:75、占領中期では、①nurse:241、②health:186、③nursing:148、④course:136、⑤public:134、占領後期では、①nurse:86、②nursing:76、③health:57、④school:55、⑤ministry:42という結果が得られた。この分析で分かったことは各期間で特徴的な語句として、占領初期では「school]と「program」で看護学校の教育プログラムを改正する語句、占領中期では「health」と「public」で公衆衛生看護の改革を進める語句、占領後期では「ministry」で厚生省との関係を示す語句が明らかとなった。今後は共起ネットワークや対応分析を行い公衆衛生福祉局の活動の変化を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大量のデータから看護に関する章だけを抽出してテキストマイニングの手法で解析をすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は分析の対象を、予防医学や社会福祉などの分野に拡大し、占領期全体での公衆衛生福祉局の活動の変化を解析する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で研究打ち合わせや研究成果の発表を行う学会がオンライン開催となったため旅費の予算執行が無くなった。次年度に対面の学会大会が行われた際の旅費か謝金に用いる予定である。
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