2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K10011
|
Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
田中 秀宜 文京学院大学, 保健医療技術学部, 助教 (90733585)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 人材開発 / 多職種連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は日本の作業療法士の国際的多職種連携教育について焦点を当てた文献研究を実施した. 文献より,連携の際のストレスマネジメントの必要性と言語へのサポート(通訳の適宜介入)等の効果が示唆された.日本においては作業療法士の国際的多職種連携教育についての報告は未だ少なく,実際的な取り組みに関しては各個人・組織の努力によって実践されている現状が明らかとなった. 今後,日本の作業療法士が多様な文化的背景を持ったメンバーとともに円滑な連携を実践していくために,その教育手法についてさらなる学術的実証的研究を積み重ねていく必要がある. その他,文献および国内外の学会に参加し人材開発に関する情報収集を実施した.リハビリテーション関連職種の熟達に関するワークショップ等にも参加し,熟達者がどのように臨床で意思決定について学ぶ機会を得た.国際的には臨床での意思決定時には,エビデンスレベルの高い論文が重要視され,熟達者の経験則は意思決定の根拠としては低い印象を受けた.その一方で,未だ研究で実証的に検証されていない事象も多く,熟達者は自身の経験則や臨床での成果を学術的に研究・報告(output)していくことが重要であると感じた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は主に文献研究と情報収集により学会発表を実施したが,専門家を集めた会合を開催し,意見を伺うことができなかったため.
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度はマネジメントを中心とする学会にも参加し,ヘルスケア関連職種の人材開発についての情報収集も行ったが,興味深かったのは,個人の能力のみにフォーカスして議論するのではなく,個人の能力を伸ばすための「取り組み」についての議論が大変活発であったということである.現場の個人が力を発揮できない(育たない)のはマネジメントの問題という意識が非常に高かった.本研究では個人の熟達を研究テーマとしていたが,情報収集を進めるうちに個人の能力の熟達には組織の風土や文化(環境要因)が大きな影響を与えることも考える必要性を感じた.個人の熟達に関する情報収集のみならず,組織のマネジメントの影響についても考察を深めていきたい.
|
Causes of Carryover |
本年度は専門家から意見を伺う会合を実施できなかったため,次年度使用額が生じた.来年度の開催に向けて使用したい.
|