2019 Fiscal Year Research-status Report
Pilot study of the manual for home-visiting nurses to care for the patients on their deathbed on the basis of the guideline for death certification using Information and Communication Technology(ICT)
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18K10015
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
渡邊 裕見子 (増田裕見子) 東京医科大学, 医学部, 助教 (20614564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 順彦 帝京大学, 医学部, 教授 (90349374)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 訪問看護 / 在宅看取り支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本における訪問看護在宅看取りに関する文献検討を実施した。多くの研究者たちが、在宅療養が促進されない課題について研究を進めている中、看護としてどのようなことが重要な課題として検討されているのか、今後抽出された課題についてどのように取り組むべきかを整理するため改めて文献検討を行い、課題を抽出した。医学中央雑誌検索123件より検索キーワード「訪問看護」、「看取り」、「がん」とし、発行年直近5年の原著論文を検索し、非がんおよびがん以外の在宅療養の患者に関する文献を除き、113件を抽出した。113件の文献のテーマから在宅療養中の看取りの患者に対し、実施されている看護について書かれている文献38件を精選した。38件の文献のテーマについてテキストマイニング(KH Coder)を用いて分析した。本調査で対象とした直近5年の在宅療養中のがん患者における在宅看取りの文献では、在宅療養中のがん患者・家族のニーズ、看護師の実践についての研究が多く進められていた。しかし、看護としての支援、困難について具体的なキーワードが抽出されなかった。この点に在宅看取りが促進されない課題があると考える。これについては2020年度看護研究学会での発表する予定となっている。 また、訪問看護ステーションの看護師および訪問診療に携わる医師、救命救急士へのプレインタビューを実施した。本来であれば、在宅看取りを経験した療養者・家族、かかりつけ医、及び医療機関の退院調整部門及び救急部門の看護職及び関連職種、訪問看護ステーションの看護師とする。対象者は都市部、山間部在住者それぞれ数名にインタビューを実施する予定であるが、まずはプレインタビューから分析し、在宅看取りに関する医療者側のニーズ調査を実施したい。訪問看護師が使用する手順書試作のための知見を得るためには必要な調査だと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
私たちの調査では、在宅見取りに関する手順書の試作を目指しているが国内文献、海外文献をあたるにつれ、クリティカルパスのような看取り支援に関するガイドライン(LCP)を確認した。しかし、海外で実施された調査ではその倫理的観点から運用が停滞している。国内においても、研究は継続されているが一般化には至っていない。運用には多くの課題が山積しており、普及にはそれらの課題をクリアしていく必要があることが分かった。私たちの行ったインタビュー調査からも、同様の課題が見えている。それは、在宅で看取られる本人への課題というより、在宅で患者を支援する家族への課題であることが明らかである。また、そのような状況にある患者、家族が活用する社会資源についても、情報量が明らかに不足していることが分かった。私たちの目的は訪問看護師における在宅見取りを推進することであるが、訪問看護師自体がそれらの課題に困難感を抱いており、模索している状況であることが分かってきた。医師やコメディカルとの調整や期待される内容について、どのように解決していけばよいのかわからないまま、目の前にいる患者、家族に対応しているように見える。
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Strategy for Future Research Activity |
LCPが進んでいない課題について把握出来てきた。そこで、日本における在宅看取り支援の医療者のニーズについて、確認していきたい。患者家族のニーズはおおむね検討がついてきたが、実際に支援を行う訪問看護師が何があれば具体的に活動しやすくなるのか、訪問看護師が求めていることは何かについて調査を深めたいと考えている。そのため、今年度は関東だけでなく、他県においての訪問看護師にインタビュ―を実施し、地域性やニーズについて調査し次の調査の予備段階として、調査用紙の作成やプレテストを含めて検討したいと考えていた。しかし今の状況では、COVID-19の影響も鑑みながらの進行になると思われる。
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Causes of Carryover |
インタビュー対象者が遠方の訪問看護ステーションの予定であったが近隣の施設で対応できたこと、実施調査に使用する予定であった文具類などの経費が低額に抑えられたことと、人件費としての請求がなかったことが、予定額の予算執行に至らなかった。 今年度、不足している情報を得るためインタビューや調査を増やしたいと考えている。
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