2018 Fiscal Year Research-status Report
The Association between Exposure to Heavy Metals during Pre-/Neonatal Periods and Neurodevelopment - Analysis of Milk Teeth
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18K10048
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
安光ラヴェル 香保子 高知大学, 医学部, 特任助教 (60598522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滿田 直美 高知大学, 医学部, 特任研究員 (30611389)
菅沼 成文 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 教授 (50313747)
栄徳 勝光 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 助教 (50552733)
西脇 芳典 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 講師 (50632585)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 重金属曝露 / 小児 / 精神神経発達 / 乳歯 |
Outline of Annual Research Achievements |
落葉乳歯の測定方法については、液体クロマトグラフィー誘導結合プラズマ質量分析法(LC-ICP-MS)による先行研究は近年増加しているが、蛍光X線を用いた本研究と同様の測定方法の先行研究は無いため、2018年度は落葉乳歯の測定方法を確立するため、パイロットスタディを実施した。 パイロットスタディでは、高知大学医学部附属病院口腔外科と連携をし、9本の生体試料を入手し、(1)光学顕微鏡による断面観察、(2)操作電子顕微鏡(SEM)研究を用いたマッピング、(3) X線(ポリキャピラリー集光・KBミラー集光)による測定を実施した。なお、X線による測定は、高エネルギー加速器研究機構にて、西脇・安光で実施した(出張計6回)。 その結果、P, Ca, Ni, Zn, Hg, Pb, Sr, Cu, Cr, Mnなどのうちいくつかのの重金属について、特徴的な濃集を確認することができた。また、曝露時期を推定するのに必須であるneonatal lineを把握できることをほぼ確認できた。 なお、本研究は、環境省の別プロジェクトであるエコチル調査の参加者のうち、高知県在住者の5%(エコチル調査の中のサブコホート)を対象とすることを計画している。そのため、複数の研究対象者になることで参加者への負担がないよう、本調査の遂行を担っている国立環境研究所(エコチル調査コアセンター)とメール・会議などで連携を取りながら2019年度のための下準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
落葉乳歯の測定方法がほぼ確定したことについて計画通り進んだ一方、エコチル調査詳細調査参加者(約330名)への本研究への参加募集については、当初計画をしていた2018年度中ではなく、2019年度下期に計画を変更した。変更の理由は、(1)エコチル調査本体のほうでも全国に乳歯収集を呼びかける方針となったことから、一度に2つの調査の参加募集案内(エコチル調査と本研究)がいくことで参加者への負担が増えることがないよう、エコチル調査の乳歯収集を優先させたこと、(2)本研究で収集予定の乳歯は6歳以降に脱落することから、エコチル調査で参加者と対面する機会に本研究の説明ができ、かつ、乳歯脱落のタイミングにより近い2019年度下期以降でも十分妥当であると判断したこと、の2点である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度上期は、高知大学へ倫理審査申請・環境省へエコチル調査への追加調査申請など、2019年度下期からの参加募集開始の準備を行う。 2019年度下期より、参加募集呼びかけ・落葉乳歯の収集を実施する一方、引き続き高エネルギー加速器研究機構にて、昨年度に引き続きパイロット調査の生体試料サンプルの測定を行い測定方法の最終確定を目指し、本調査の落葉乳歯が集まり次第、測定を開始する。 2020年度上期には、収集できた落葉乳歯のデータとエコチル調査のアウトカム(新版K式発達検査・Ages and Stages Questionnaire (ASQ)・Social Responsiveness Scale-2 (SRS-2)など標準化された質問票)との相関関係を調べる。また、エコチル調査の母体血・臍帯血の分析結果が利用可能になっている場合には、乳歯より得られたデータと比較をし、測定結果の妥当性を検討する。
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Causes of Carryover |
参加者の負担を軽減するため、本調査の参加募集を2018年度から2019年度に変更し、謝金の発生がなかったことによる。なお、2018年度実施したパイロットスタディにおいては、高知大学医学部附属病院にて受診時に教育・研究に生体試料を使用することに対する包括同意を取得した患者の生体試料を使用したことにより、謝金は発生しなかった。 2019年度下期に本研究の参加募集を開始し、謝金として使用する。
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