2018 Fiscal Year Research-status Report
自己抗体を用いた前立腺がん新規バイオマーカーの探索
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18K10051
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
加藤 貴彦 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (70169506)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 前立腺がん / 自己抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
自己免疫疾患は、細胞内のさまざまな蛋白質―核酸複合体、蛋白質複合体などに対する自己抗体の産生が特徴である。近年、腫瘍の新規診断マーカーとして、患者の血清に検出される自己抗体が注目されている。これら自己抗体は発生臓器や臨床症状との密接な関連も推測され、予防医学的・臨床的に重要な特異的バイオマーカーとなる可能性が期待されている。 本研究の目的は、前立腺がん発生に関与が推測される自己抗体の分析を行い、これまでに報告してきた前立腺がん発生リスクマーカーと関連解析を行い、血液レベルで検出できる新たな早期・臨床診断自己抗体バイオマーカーを発見することである。そして、予防医学に携わる研究者の一人として、前立腺がん発生予防と早期診断に貢献できるリスクコミュニケーション法の樹立もめざしたいと考えている。 計画している研究項目は以下のようである。1.生体防御系としての自己抗体の測定、2.食物摂取頻度調査票・ライフスタイル状況調査票を用いた食品目摂取量と栄養素摂取量の定量化 3.上記の研究結果から得られたデータを用いて総合的な解析を行い、個人レベルで利用できる前立腺がん発生・悪性度・進展・予後を規定する新規自己抗体バイオマーカーの探索である。2018年度は、前立腺がん500例と対照群500例における、Ro52、Ro60、CENP-A、CENP-Bに対する血清中自己抗体を測定した。また、前立腺がんにおける臨床病理学的な分類に関するデータクリーニングを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例群(500例)と対照群(500例)の識別マーカーであることが予測される自己抗体の測定を実施できたたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度以降、1.自己抗体分析対象数の増加 2.候補となる自己抗体の検討と再現性の確認 3.前立腺がんの臨床ステージとの関連性の分析 4.ライフスタイルデータのクリーニング、を実施していく。
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Causes of Carryover |
予定していた数よりも多くの検体が集まり、次年度の測定費用として予算を繰り越したため。
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