2018 Fiscal Year Research-status Report
A nested-case control study on IGF-1 as a risk factor of ischemic vascular dieases
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18K10062
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山海 知子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10241829)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 虚血性心血管疾患 / IGF-1 / 細胞増殖因子 / コホート内症例対照研究 / 発症要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成23~25年度文科省科学研究費助成事業、基盤研究C(一般、研究代表者)として、1962年から56年にわたる長期継続的な脳血管疾患と虚血性心疾患に関するコホート研究の対象住民の出血性脳血管疾患の新たな危険因子としての可溶性FasとIGF-1の可能性を、コホート内症例対照研究の手法を用いて、出血性脳血管疾患発症者を「症例」とし、居住地域・性・年齢を一致させた非発症者を「対照」として1:2にマッチングを行い、研究対象として分析し、69歳以下の出血性脳血管疾患発症者において、出血性脳血管疾患全体並びにくも膜下出血の発症者は、非発症者と比較してIGF-1のみ低い傾向を認め、平成26~29年度実施した文科省科学研究費助成事業、基盤研究C(一般、研究代表者)として、発症年齢を70歳以上に拡大し全年齢の発症者で、前研究と同様可溶性FasとIGF-1の影響を、これまで明らかになった危険因子を含めた多変量解析を実施することによって、危険因子としての特にIGF-1の影響の大きさを明らかにした。その結果、高齢の発症者へのIGF-1の影響は若年者より少ない可能性があること、脳出血においては高血圧の影響が強く、一方、くも膜下出血は高血圧よりもIGF-1の低値の影響が強い可能性が示された。予後に関する影響に関して十分ではなく継続中である。IGF-1と出血性脳卒中、とくにくも膜下出血との関連を示した疫学研究はこれまで見当たらない。この結果はくも膜下出血等出血性脳卒中の発症予防のための基礎資料として重要である。この内容について現在投稿準備中である。 以上の研究背景から、本基盤研究C(一般、研究代表者)においては、細胞増殖因子であるIGF-1の虚血性心血管疾患、即ち心筋梗塞、脳梗塞発症への影響とその重要性を、出血性脳血管疾患に対比する形で検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度(2018年度)は研究対象として選出するものが含まれた対象地域のコホート研究にて収集しー80℃に凍結保存してある検体が、大阪大学公衆衛生学研究室にあり、そこで対象検体を取り出し測定する予定であった。しかし、予期しない大阪地方を震源とする地震が発生したこと、その後の事態の収拾等の対応等があったために、現地を訪問し実施することができなかった。 その為、検体の選出が2年目の2019年度にずれ込むこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度には研究対象となる検体を準備し、測定を開始する。以降は当初の予定がなるべく遅延しないように努力する予定。
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Causes of Carryover |
平成30年度(2018年度)に研究対象となる検体の選び出しを、保管している大阪大学公衆衛生学研究室にある超低温冷凍庫の設置してある場所に赴き実施する予定であったが、大阪地方を震源とする地震が発生し、直接の被害はなかったものの、事態の収拾に時間がかかり実施できなかったため、研究打合せのための旅費や必要物品にのみ研究費を使用した。 2019年度は繰り越した検体の選び出しとIGF-1の測定の費用に、今年度分と合わせて用いる予定である。
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