2018 Fiscal Year Research-status Report
大規模長期追跡住民コホート調査を用いた消化器疾患と運動器疾患の連関の解明
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18K10063
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
井上 泉 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (10305774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 典子 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (60240355)
一瀬 雅夫 帝京大学, 医学部, 副院長 (50143425)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 消化器疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、消化器疾患と運動器疾患の連関を解明する住民コホート研究である。胃炎の長期追跡における発生率、増悪率、胃がんや大腸がんなど消化器がんの発生に及ぼす影響および要介護の主要な原因であるフレイルや骨関節疾患の発生に及ぼす影響について解析し、消化器疾患と運動器疾患の連関を解明し、これらの効果的予防法に資するエビデンスを構築することを目的とする。がん死亡の原因のトップを占める消化器疾患と要介護の原因のトップを占める運動器疾患、これら2つの系統の異なる疾患の連関と共通のリスク要因が解明されれば死亡と要介護の両面から効果的な予防法の解明につながると考えられる。 研究代表者と研究分担者は、高齢者のQOLの維持および要介護予防を目的として2005年から定期的に追跡調査を実施している大規模住民コホート研究Research on Osteoarthritis/osteoporosis Against Disability (ROAD)において、本年度も和歌山県の山村コホートで13年目(第5回目)の住民健診を実施し、調査時に同意の得られた参加者から、問診票による既往歴、食生活、身体活動、飲酒・喫煙、服薬、膝痛・腰痛、転倒発生状況、ADL・QOLなどの情報収集を行い、また身体・運動検査、Dual Energy X-ray Absorptiometry (DXA; Hologic Discovery)による骨密度検査、股関節・脊椎前後像などの骨X線検査、インピーダンス法 (Tanita MC-190) による四肢筋量測定、握力測定、歩行速度測定を実施した。加えて、採血を施行し、採取した血漿を冷凍保存した。収集した各情報は整理を行いデータベースの作成作業を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
山村住民コホートの住民検診を実施し、山村コホート13年目(第5回目)追跡調査結果のデータベース化を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は漁村コホートにおいて13年目(第5回目)の住民健診を実施し、調査時に同意の得られた参加者から、山村コホート調査と同様、運動器疾患(骨粗鬆症、骨折、フレイル、サルコペニアなど)と消化器疾患の判定ならびに栄養素・食生活の把握に必要な問診票および検査による情報収集を実施する。加えて、胃炎評価のための採血を施行し、収集した各情報の整理を行い漁村コホート13年目(第5回目)追跡調査結果のデータベースの作成作業を実施する予定である。最終年度は過去4回の調査結果と第5回目の調査結果を結合し縦断データベースを作成し、作業解析のためのデータセットの確定ならびに構築したデータベースの解析作業を進めていくことにより、胃炎の血清学的マーカーに関する疫学的実態を解明し、“消化器疾患と運動器疾患(骨粗鬆症・サルコペニアその他)およびフレイル・要介護移行の発生”との関連についても明らかにし、論文化していく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度の山村住民検診において、追跡調査で得た冷凍保存血漿の胃炎血清学的マーカー測定及び胃炎評価を予定していたが、平成31年度の漁村住民検診で同様の調査を実施するため、山村漁村のサンプルを一括して測定することとしたため、次年度使用額が生じた。
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