2019 Fiscal Year Research-status Report
胎児期からのライフコースを考慮した、生活習慣病発症に関わる要因の疫学的検討
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18K10076
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 孝太 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90402081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 修司 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (00228785)
山縣 然太朗 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10210337)
北野 尚美 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (40316097)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 疫学 / コホート研究 / 母子保健 / マルチレベル解析 / DOHaD説 / 行動変容ステージ |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、妊娠期、小児期についての研究を中心に、以下のような研究を実施した。まず、山梨大学病院の産婦人科を受診した妊婦の電子カルテから収集した妊婦健診データを用いて、児の胎内発育、また出生後の体格に影響すると考えられている妊娠中の体重増加について、マルチレベル解析を用いて関連する要因を探索的に検討した。さらに、新たにマルチレベル解析を用いて検討した。この成果についてはアメリカ(ミネアポリス)で行われたSER、SPERで発表した。 さらに、小児~学童期については、山梨県甲州市における母子保健縦断調査(甲州プロジェクト)のデータを用いて、妊娠中の喫煙が出生後の発育(Body Mass Index)に与える影響を、出生体重で四分位に分けることにより、詳細に検討した。その結果、第2四分位、つまり平均よりも少し小さく生まれた場合に、妊娠中の喫煙が出生後の発育与える影響が大きい可能性を示した。この結果については、欧文誌に投稿し掲載された。また、昨年度から引き続き、和歌山県御坊市をフィールドとし、御坊市における母子保健データを、学校保健データと連結するための基礎的検討を行うために、学校保健データの内容や、教育委員会が実施している調査などについて、継続的に情報収集を行った。さらに、御坊市を含む1市5町を圏域とする御坊保健所においても、妊娠期から乳幼児期までの、児の体格を中心とする縦断データベース構築を進めており、新たにデータを収集することはもちろん、既存データの縦断的な利活用のためのデータリンケージなどを進めている。 さらに、成人期については、成人期における生活習慣病の発症に、成人になってからの行動変容などがどの程度影響するのかを検討するために、愛知県内の健診機関のデータを用いて検討を進めている。この研究成果については、2020年度に行われる国際学会に演題を応募し、採択されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
妊娠期、小児期、学童期、成人期のそれぞれの時期について、データセット作成、あるいはすでに作成済みのデータセットを用いた解析を進めており、昨年度に引き続き、欧文誌に論文が受理されるなど、研究成果の発表も進んでいると考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在作成している各年代のデータセットを用いて、それぞれの年代における健康状態に影響する因子を、縦断的な解析で明らかにするとともに、当初計画していた、21世紀出生児縦断調査など、統計法に基づくデータ利用を申請し、それらを用いた解析を進めることで、日本を代表している対象者について、近年話題となっている社会格差による健康状態の違い(健康格差)、特に周産期予後から出生後の発育について検討する予定である。
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Causes of Carryover |
学内業務などにより、本来予定していた学会で発表できず、関連する経費を使用することができなかった。これらについては、次年度の学会で発表し、その関連経費として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)