2020 Fiscal Year Research-status Report
胎児期からのライフコースを考慮した、生活習慣病発症に関わる要因の疫学的検討
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18K10076
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 孝太 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90402081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 修司 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (00228785)
山縣 然太朗 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10210337)
北野 尚美 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (40316097)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 疫学 / コホート研究 / 母子保健 / マルチレベル解析 / DOHaD説 / 行動変容ステージ |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大により、教育や管理運営といった学内の業務負荷が大きくなったこと、さらに、国内外への移動制限により、学会発表や研究打ち合わせなどが実施できなかったことから、研究活動が大きく制限された。その中で、実施したものは以下の研究である。 まず、愛知県内の健診機関のデータを用いて、特定健診の問診項目にある行動変容ステージの変化がどのように生じているのか、生活習慣などの影響について検討した。その結果、喫煙や身体活動、朝食摂取、アルコール摂取といった生活習慣が、行動変容の各ステージで影響していることが示唆された。さらに、性差や年齢、肥満の有無なども行動変容と関連していることが示され、これらの要因を考慮した保健指導の必要性が明らかになった。この結果については、2020年12月にオンラインで開催された、アメリカ疫学会(Society for Epidemiologic Research:SER)で発表した。 さらに、小児~学童期については、引き続き、和歌山県御坊市をフィールドとし、御坊市における母子保健データを、学校保健データと連結するための基礎的検討を行うために、学校保健データの内容や、教育委員会が実施している調査などについて、オンラインによる打ち合わせなど、継続的に情報収集を行った。 これらに加えて、COVID-19の流行は、さまざまな生活習慣にも影響を及ぼし、さらには生活習慣病の発症に影響していることが考えられるため、その基礎資料となる情報収集等いう意味で、主任研究者らが別に実施した愛知県、東京都、福島県、鹿児島県の一般市民を対象としたCOVID-19に関する意識と行動変容に関する郵送調査のデータを利用し、その調査結果をまとめた。この結果については、2021年度のSERに応募し採択されたことから、オンラインで発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要に記載したように、COVID-19の流行拡大により、研究活動の遂行に支障をきたしており、また、COVID-19による社会情勢の変化や、個人の生活習慣の変化が、生活習慣病発症に影響することも考えられるため、新たに研究を追加して実施する必要性が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していた研究内容に加え、前述のCOVID-19に関する調査データや、医療レセプトデータなども活用し、胎児期から成人期にかけてのさまざまな健康状態の記述を行うとともに、それらに影響する因子を探索的に検討していく予定である。これらの研究成果については、学会で発表した後、論文として公表する予定である。
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Causes of Carryover |
前述の通り、学内業務などにより、本来予定していた学会で発表できず、さらに研究打ち合わせなども実施できなかったため、関連する経費を使用することができなかった。これらについては、次年度の学会で発表し、その関連経費として使用する予定である。
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