2021 Fiscal Year Research-status Report
Geography of suicide in Japan: Spatial patterning, and socioeconomic correlates and inequalities
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18K10080
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
吉岡 英治 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (70435957)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自殺対策 / 空間疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、「社会経済的要因が自殺率の地域差に及ぼす影響の検討」に関して、解析を実施した。各市町村における社会経済的要因と自殺率の関連を性年齢階級別に解析をした。この解析では、各市町村の社会経済的要因として、「社会的断片化」「社会経済的剥奪」「都市化度」を考慮した。「社会的断片化」は、単身世帯の割合、未婚成人の割合、住所変更の割合(5年間で住所が変更した人の割合)、に基づき評価した。「社会経済的剥奪」は、失業率(15歳以上の失業者の割合)、学歴の水準(35から64歳の大卒未満の割合)、持ち家でない世帯の割合、に基づき評価した。「都市化度」は人口密度から評価した。これらの社会経済的要因に関わるデータは、2010年の国勢調査の結果から得た。この解析結果は、英文原著論文としてまとめ、現在投稿中である。「都市部と僻地部の自殺率の地域格差の推移」に関しては、研究内容を大幅に変更することにした。これは、現在の新型コロナ感染症流行後から、日本では特に若い世代や女性で自殺者が急増しており、これに関する自殺の空間疫学の解析が必要と思われたからである。そこで本研究では、2019年より前の「コロナパンデミック前」と2020年から2021年までの「コロナパンデミック期間中」の各市町村の自殺率の分布の変化を明らかにする解析を実施する。まず令和3年度にデータを収集し、整理を行った。今後、解析は男女別に実施する予定である。可能であれば、年齢階級別の解析も実施したいと考えている。令和4年度に、研究結果を英文原著論文にまとめて投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
データの解析にかなり時間がかかっている。令和3年度も追加でかなり解析を実施しなければならなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在「社会経済的要因が自殺率の地域差に及ぼす影響の検討」に関する2編目の英文論文を投稿している。令和4年度に「都市部と僻地部の自殺率の地域格差の推移」の英文論文を作成する。この論文は、当初の計画を変更し、コロナパンデミックの前後の自殺率の地域分布の変化を解析する予定である。
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Causes of Carryover |
データの解析、研究成果の発表などが計画通り実施できなかった。 令和4年度に、前年に実施できなかった解析、発表などを実施する。
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