2019 Fiscal Year Research-status Report
早期動脈硬化の諸指標による循環器疾患発症予測に関するコホート研究
Project/Area Number |
18K10083
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
崔 仁哲 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40375514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木山 昌彦 公益財団法人大阪府保健医療財団大阪がん循環器病予防センター(予防推進部・循環器病予防健診部・健康開発, その他部局等, その他 (10450925)
山岸 良匡 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20375504)
磯 博康 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50223053)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 血管内皮機能障害 / 腎機能障害 / 循環器疾患リスクファクター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、血管内皮機能の低下と腎機能障害との関連を検討し、血管内皮機能障害が循環器疾患の発症リスク上昇への関与の観点から分析した。対象者は秋田県井川町と大阪府八尾市M地区の2013年から2017年の循環器受診者のうち30-81歳の男女1042名とし、早期動脈硬化指標である血流依存性血管拡張反応(Flow Mediated Dilatation: FMD)検査により%FMD(拡張率)を実施した。腎機能低下はe-GFR値<60mL/min/1.73m2 とした。解析においてFMD変化量の4分位とし、FMD高値群(4群中の最高値群)を基準とし、多変量調整したオッズ比を計算した。その結果、FMD高値群(4群中の最高値群)に比べ、FMD低値群(4群中の最低値群)の腎機能低下の多変量調整オッズ比は、3.14(1.09-9.03)と有意に高かった。さらに降圧剤服薬者を除いた解析においても同様な結果を示した:多変量調整オッズ比は、4.56(1.21-12.73)であった。 本研究により、地域一般住民において血管内皮機能の低下と腎機能障害と関連することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)中心動脈圧、血流依存性血管拡張反応(FMD)検査などの動脈硬化関連指標と循環器疾患リスクファクターについて、約200人を追加実施している。 2)早期動脈硬化指標FMD値と腎機能障害との関連を分析し、日本動脈硬化専門誌に投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度、中心動脈圧、FMD値などと循環器疾患リスクファクターとの関連を分析し、日本疫学会や国際専門誌で発表する予定である。
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Causes of Carryover |
予定より、検査実施者が少なくしたためである。
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