2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of an intervetion to reduce salt intake of school children
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18K10085
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
奥田 昌之 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (50274171)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 食塩摂取 / 小学生 / 尿排泄量 / ナトリウム / カリウム / クレアチニン / 食生活習慣 / 採尿 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、小学生の食塩摂取量を最も精度の高い方法である複数回24時間蓄尿によって測定することで、1日食塩摂取量を推定すること、および早朝尿ナトリウム濃度との関連、食生活因子との関連について明らかにすることである。2018年度に研究計画の倫理審査を受け、調査地域への説明を行った。調査への協力が得られない、得られても諸般の事情で2018年度中に調査開始できなかった。2019年度に、宇部市の5小学校、周防大島町の4小学校で調査協力を得ることができ、そのうち小学5、6年生の生徒21人に24時間蓄尿2回と早朝尿3回の採取を依頼し、その他生徒21人に早朝尿3回のみを依頼した。宇部市の小学校では募集対象263人の生徒から23人が参加し、周防大島町の小学校は小規模小学校のみで全員参加した。採尿時の時刻、蓄尿の時間を記録してもらい、回収した尿から、24時間尿は尿量を測定し、すべての尿サンプルで、ナトリウム、カリウム、クレアチニン、尿素窒素濃度を測定した。その他の測定項目として、簡易型自記式食事歴質問票BDHQ15y、生活質問票(生徒・保護者)、身体計測、血圧測定を行った。調査予定人数をまだ確保できていなくて、2019年度に得られた結果から調査協力は得ることは難しかった。生徒の尿採取の取りこぼしは少なく、これまで2人で尿採取もれが記録されていた。尿量は最小540mLで500mL未満の検体はなかった。蓄尿時間の最小は1280分(21時間20分)最大は1532分(25時間32分)であった。1日クレアチニン排泄量が0.1mol/体重kg未満であった検体が2回×21人=42検体のうち5検体あった。協力してくれる意思のある小学生でも24時間の蓄尿への協力を得られることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
想定していた調査協力が得にくかった。5年前に実施した中学生対象の研究と違い、小学生を対象としたことで、尿に溜める、運搬することの羞恥心・負担感、手順の遵守の不確かさという生徒・保護者の要因、それらを危惧する学校・教員の要因があった。さらに個人情報を保護するという意識が強くなってきていることも原因の一つかもしれない。食塩摂取量を減らす目標を掲げていた地域を対象としたにもかかわらず、生徒、保護者、教員・校長に測定の意義の理解が広がらなかったことだろうと考える。しかし、いったん同意が得られると、小学生の真面目さから丁寧に調査に協力してもらえた。さらに、2019年度末から流行し始めた新型コロナウイルス感染症による休校も協力数が伸びなかった原因になった。調査数のみの問題であり、他に遅れる要因はない。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に調査数を増やすために周防大島町で測定を行う予定であるが、学校の休校、およびカリキュラム・スケジュールの変更で、実施できるかどうか判断しにくく、困難になると考えられる。調査項目を減らして、調査対象者の負担を減らすことを考える。研究計画の目的を達成するために、以前に行った中学生のデータを合わせて解析することを検討する。
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Causes of Carryover |
調査人数が目標数に達しないために、測定にかかる費用が残っている。また、調査数が目標数に達するのに時間がかかっているため、論文発表が遅れている。できる限りデータの収集を試みることと、限られたデータで論文を公表し、論文掲載費用として使用することとする。
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Research Products
(2 results)