2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of an intervetion to reduce salt intake of school children
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18K10085
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
奥田 昌之 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (50274171)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ナトリウム / カリウム / 食塩 / 小学生 / 中学生 / 尿 / 推定式 / 摂取量 |
Outline of Annual Research Achievements |
小学生5,6年生の質問調査、身体計測、血圧測定、尿検査を行う本研究では、2020年度に新型コロナウイルス感染症が流行し、学校への調査の依頼、協力取得ができなかった。2019年度に集めたデータではサンプルサイズが小さく、今後サンプルを増やすことが困難なことが予想されたため、以前に行った中学生を対象とした調査データと統合し、早朝尿のナトリウム、カリウム、クレアチニン濃度と年齢・身体計測値から、小学5年生から中学3年生を対象とした1日食塩、カリウム摂取量を推定する式を得た。ナトリウム濃度あるいはカリウム濃度のクレアチニン濃度との比に、身長・体重・年齢から推定した1日クレアチニン排泄量をかけて求める式である。その推定値は、24時間尿から得た測定値と比較して、級内相関係数はナトリウムで0.61(95%信頼区間、0.40~0.76),カリウムで0.55(95%信頼区間、0.33~0.72)となり、それぞれ8.6%、8.7%過小推定であった。以前、身体計測、尿中濃度、身体活動を使った回帰式よりも級内相関係数は高くなった。結果は国際誌で公開した(Okuda, M., Asakura, K. & Sasaki, S. Estimation of daily sodium and potassium excretion from overnight urine of Japanese children and adolescents. Environ Health Prev Med 25, 74 (2020). https://doi.org/10.1186/s12199-020-00911-3)。尿は学校健康診断で用いる早朝尿であり、この推定式を用いて小学生、中学生にあまり負担をかけずに1日食塩、カリウム摂取量を求めることができるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年度末から2020年度は新型コロナウイルス感染症が流行し、学校活動の制限、地域移動の制限により学校への調査の依頼、協力取得ができずに、サンプルサイズを大きくすることができなかった。しかし、早朝尿を用いた小学生・中学生の1日食塩・カリウム摂取量を推定する式を得て、公開することができ、疾病予防、公衆衛生活動に活用できる状態となった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究期間を1年間延長し、小学生を対象とした調査を追加し、サンプルサイズを大きくすることとした。本研究では24時間尿採取を含めた調査と、早朝尿のみの調査を組み合わせて計画していた。2020年度に早朝尿を用いた推定式を得ることができたので、追加調査では24時間尿の採取を行わず、早朝尿のみを採取する調査で調査内容を変更せずに実施する。得られたデータから、日本人小学生の食塩・カリウム摂取量と血圧との関係を明らかにする。また、摂取量と関連する生活習慣を明らかにするデータ解析を行う。2021年も新型コロナウイルス感染症の流行が続いており、調査がどのくらいの規模で実施できるか不明である。そのため、以前行った周南小児コホート調査で得ていた早朝尿ナトリウム濃度、カリウム濃度、クレアチニン濃度、身体計測、年齢、その他の質問紙データを本研究で解析する。周南小児コホート調査は倫理審査を受け、同意を取得して実施した調査である。周南小児コホート調査で解析できるデータは、約2500人のサンプルサイズである。このデータで食習慣やその他の因子との関連を解析する。いずれも解析して得られた結果は国際誌等で公表し、公衆衛生活動に活用できるようにする。
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Causes of Carryover |
2019年度末から2020年度は新型コロナウイルス感染症が流行し、学校活動の制限、地域移動の制限により学校への調査の依頼、協力取得ができずに、サンプルサイズを大きくすることができなかった。本研究期間を1年間延長し、小学生を対象とした調査を追加し、サンプルサイズを大きくすることとした。
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Research Products
(3 results)