2020 Fiscal Year Research-status Report
動的予測モデルを用いた、がん、脳血管疾患・心疾患患者の治癒期間に関する研究
Project/Area Number |
18K10096
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
雑賀 公美子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (50535317)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 里奈 弘前大学, 医学研究科, 助教 (40709713)
田中 佐智子 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (50453824)
松田 智大 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策情報センター, 室長 (60370954)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ダイナミック・プレディクション / 相対生存率 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本人の主要死因であるがん、心疾患および脳血管疾患が医療技術の進歩等により罹患後死亡するまでの期間が延長してきていることなどから、若年で罹患した者がこれらの疾患罹患から何年経過すれば再発等の不安が軽減されるか(罹患しない人を含む一般日本国民と同様の予後になるのか)の指標を開発することを目的としている。がんについては、厚生労働科学研究費補助金がん政策研究事業「都道府県がん登録の全国集計データと診療情報等の併用・突合によるがん統計整備及び活用促進の研究」班(研究代表者:国立がん研究センター 松田智大)との共同研究として2011年診断症例までの2016年予後付きデータの利用し、罹患からw(1~5)年生存者のその後1年後の相対生存率を算出することを行った。これは、罹患からw年生存した場合に翌年にはその時点で同性、同年齢の一般国民の生存率に対する生存リスクを示すものであり、1に近ければ近いほど一般の人と同じ生存率であることを意味する。米国国立がん研究所(NCI)より提供されているソフトウェア(SEER*Stat)を用い、様々な生存率の算出方法で比較したみたが、生存率自体はあまり大きく変わらず、罹患時年齢が若いほど罹患から年数がたつほど1年後生存率は高い傾向があり、部位別では、相対生存率が90%以上となっていたのは、胃がん、大腸がん、乳がん、前立腺がん、食道がん、胆のう・胆管がん、悪性リンパ腫の4年生存者であった。一方、肺がん、肝臓がん、すい臓がんの4年後生存者の翌年の相対生存率は80%程度であることも手法によりあまり変化はなかった。来年度は年度をアップデートした上で、時系列の変化等を検討する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
分担研究者の産休に加え、循環器疾患の担当者とともにプログラムの確認等を実施する予定であったが、予定していた会議等の中止によりオンライン上での確認での進捗に支障が生じている。また、本研究で算出した結果の公表については、別の研究班(厚生労働科学研究)との検討も遅れている。来年度は今ライン上で対応できるようにスケジュールを調整した。
|
Strategy for Future Research Activity |
厚生労働科学研究費補助金「都道府県がん登録の全国集計データと診療情報等の併用・突合によるがん統計整備及び活用促進の研究」班(研究代表者:国立がん研究センター 松田智大)との共同研究として、すでに集計したがん登録データを用いて、罹患からw(1~10)年生存者の1年相対生存率をどの年齢カテゴリー、進行度等で公開することが適切か等について検討する。また、脳血管疾患、心疾患については、がんとは検討すべき生存期間の単位が異なることなどもあるため、こちらもデータを用いながら同時に検討する。
|
Causes of Carryover |
コロナウィルスの影響により、予定していた会議、打ち合わせおよび学会への参加をとりやめたため、旅費を中心とした予定額の消費ができなかった。また、打ち合わせ機会の減少に加え、分担研究者の業務も通常と異なることとなり、予定していた通りの研究の進捗が困難となった。来年度は旅費ではなく、オンラインでの研究の進捗を想定している。
|
Research Products
(8 results)