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2020 Fiscal Year Research-status Report

学童を核とした非医薬的公衆衛生対策(NPIs)のインフルエンザ制御効果の検証

Research Project

Project/Area Number 18K10101
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

関 奈緒  新潟大学, 医歯学系, 教授 (30270937)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小林 恵子  新潟大学, 医歯学系, 教授 (50300091)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2023-03-31
Keywordsインフルエンザ / 非医薬的公衆衛生対策 / 学童
Outline of Annual Research Achievements

2020年度は, 1)2019/2020シーズンの佐渡市インフルエンザ発生状況の分析,特にCOVID-19対策として実施された学校一斉休校の地域流行への影響の検討,2)前向き観察研究による予防行動の効果検証,3)パイロットスタディによる予防行動介入の効果検証の3つの研究を実施した。1)については,佐渡市インフルエンザ発症登録システムにより収集した患者情報に基づき,時間的・地理的患者発生状況について一斉休校(第10週)前後の変化を検討した。その結果,一斉休校により佐渡市内全域でインフルエンザ発生は急減し,ピークから収束までの期間は過去5シーズンに比べても短く,一斉休校の地域流行抑制効果が示唆された。2),3)についてはアウトカムである罹患の有無等を把握するためのシーズン終了後調査を2020年10月に実施した。2)の前向き研究ではシーズン前調査で把握した予防行動実施状況と罹患の関連を検討したが,「食事前にいつもかならず手を洗う」が発症抑制傾向(P=0.56)を示したものの,設定した予防行動はいずれも有意な抑制効果を認めなかった。ただし当該シーズンはCOVID-19予防のためにシーズン前の予防行動実施状況とは異なる行動が実施された可能性もあり,有効性については更なる検討が必要である。3)は一斉休校のため介入を中断せざるを得なかったが,予防行動介入を行ったA校「手洗い+手指消毒」,B校「手洗い+緑茶飲用」のインフルエンザ発生状況と対照群に設定したA,B以外の小学校(以下,非介入校)の発生状況を比較した。A校と非介入校の発生率に有意差はなかったが,B校は非介入校より有意に発生率が高い(P<0.001)という結果となった。B校の学区内では第8~9週には園児,学童,成人の幅広い年代で発生が急増しており,本研究のシーズン終了後調査で把握した家庭内発生状況から家庭内感染の影響も示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

当初計画では2020年度は2019/2020シーズンの罹患状況をアウトカムとした前向き観察研究,小規模校を介入校とするパイロットスタディの分析を結果より有効な非医薬的公衆衛生対策としての予防行動を決定し,介入ツールや介入プログラムを検討する予定であった。しかし2020年1月以降の国内外におけるCOVID-19のパンデミックに伴い,学校一斉休校に伴う介入研究の中断,シーズン終了後調査の実施時期が5月から10月にずれ込むなどが重なり,有効な介入方法の決定に至っていない。さらに2020/2021シーズンは佐渡市インフルエンザ発症登録システムによる登録は1例もなく,定点報告数も0という状況であったため,シーズン追加による検討も困難な状況となっている。

Strategy for Future Research Activity

本研究で検討予定であった手洗い,手指消毒,マスク着用などの非医薬的公衆衛生対策がCOVID-19予防対策として一気に普及したこと,インフルエンザ発生の激減など本研究に直接的な影響を及ぼす社会的,医学的変化が大きく,今後の研究計画の変更が必須と考える。ただし計画変更及び研究遂行する上で重要な課題が複数ある。1つ目は2020/2021シーズンは佐渡市内でインフルエンザの発生が全くなかったという過去に例をみない状況であったことから,2021/2022シーズンの流行予測が難しいこと,2つ目は長引くCOVID-19の流行により,予防行動が現在も広く実践されており,新たな予防行動介入も難しいということである。これらの課題に対し,今後はまず予防行動実践状況の経時的な変化を把握するための定期的なフォローアップ調査の実施を検討する。調査が実施できた場合はその個人の行動変容とインフルエンザの発生状況との関連を検討し,インフルエンザ予防により効果的な行動を明らかにする。

Causes of Carryover

2019年度は実施していた介入研究の中断を余儀なくされ,介入物品費及び調査票の入力,集計作業に関する謝金の一部が未執行となったことから,2020年度は前年度未使用分が加算されていたこと,さらに2020/2021シーズンは佐渡市内のインフルエンザ発生が0であったことから,発生登録票郵送費の執行がなかったこと,学会がWeb開催となり旅費が発生しなかったことなどにより次年度使用額が生じた。2021年度は研究計画の大幅は見直しを要すことから,関係機関と早期に調整を行い,執行計画も含めて検討する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021 Other

All Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] COVID-19に伴う一斉休校が地域の季節性インフルエンザ流行に及ぼした影響2021

    • Author(s)
      関奈緒,小林恵子,岩谷淳,岡崎実
    • Organizer
      第91回日本衛生学会学術総会
  • [Remarks] 新潟県インフルエンザ流行GIS情報 佐渡市インフルエンザ発生状況

    • URL

      https://www.clg.niigata-u.ac.jp/~pub/flu/index.html

URL: 

Published: 2021-12-27  

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