2019 Fiscal Year Research-status Report
MCIscreenおよびSAFを用いた軽度認知障害早期診断の有用性の検討
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18K10105
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
伊賀瀬 道也 愛媛大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (90314955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越智 雅之 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (80648171)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | MCI / AGEs / SAF |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究におけるMCIの評価法についてはメディカル・ケア・コーポレーション社製認知機能検査「MCI screen(あたまの健康チェック)」によるスクリーニングを行う。この検査では10単語直後再生がベースにあり直後再生、遅延再生など5つの課題で構成され97%の感度でMCIの有無が評価される。現在はさらに「0~100」の値で表記されるMPI(memory performance index)も算出され、より定量的にMCIの診断が可能になっており全症例で評価している。脳萎縮度はMRI画像を用いて側頭葉内側部萎縮の指標として側脳室下角面積を計測している。体内へのAGEs蓄積量はAGEreaderを用いて非侵襲的に皮膚で測定される自己蛍光(Skin Autofluorescence:SAF)値が反映している。抗加齢ドックではこれらの検査を含む動脈硬化に関連するデータを蓄積している。今後のデータ解析において、約300名の5年間の縦断研究でおこない「正常者あるいはごく早期のMCI患者から5年後に認知症に移行しやすい症例の診断アルゴリズムを確立すること」がメインテーマであり計画に沿った結果が導き出されるかどうかを確認していく。本研究ではこれに加えて3年間の研究機関終了時までに抗加齢ドックの初回受診が予想される約700名のデータを用いての横断研究も行う。さらに2018年度からの臨床介入研究としてラクトトリペプチドの動脈硬化予防効果およびAGEs蓄積量の改善効果についての研究を行っている。2020年度からはコラーゲンペプチドのMCI予防効果およびAGEs蓄積予防効果についての介入研究も開始した。すでにプラセボを用いないシングルアーム研究のデータではコラーゲンペプチドの3か月の摂取により有意にMPIが改善していること、MRIを用いた大脳皮質および白質の機能解析での改善効果があることを証明している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗加齢ドックにおける計画通りの検査を行い、データを蓄積している。さらに2018年度からの臨床介入研究としてラクトトリペプチドの動脈硬化予防効果およびAGEs蓄積量の改善効果についての研究を80名の対象者で行った。 2020年度からはコラーゲンペプチドのMCI予防効果およびAGEs蓄積予防効果についての介入研究も50名の対象者を目標でリクルートを開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね順調に研究は進行中であり、論文としての発表を予定している。具体的には「AGEsの蓄積量が5年間の認知症発症(あるいは軽度認知障害の評価)の予知マーカーとして使用可能である」「ラクトトリペプチドに動脈硬化予防効果予防効果がありここにAGEsが関与している」「コラーゲンペプチドの摂取にMCI予防効果があり、ここにAGEsに蓄積予防効果が関与している」である。
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Causes of Carryover |
本研究における成果は最終年度に得られるため、次年度に国内学会および国際学会における発表において研究内容の外部評価を受けることになる。その結果をもとに英文論文を作成して広く研究結果を紹介する予定である。
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