2019 Fiscal Year Research-status Report
新潟県の中学生における脂肪肝指数とインスリン抵抗性に関する地域研究
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18K10111
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
西村 理明 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20343535)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小児 / 肥満 / 脂肪肝指数 / インスリン抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国では生活習慣の欧米化により小児肥満が年々増加している。成人においては肥満(obesity: OB)とインスリン抵抗性(insulin resistance: IR)が深く関与するが、児童ではIRが必ずしもOBと関連しないことが報告されている。脂肪肝(fatty liver: FL)は生活習慣病のリスク因子として注目を集めているが、中学生におけるFLの実態についての疫学データは少なく、FLとIRの関連について中学生を対象に検討した報告はない。 そのため、中学生におけるIRと脂肪肝指数(fatty liver index: FLI)の関係を検討する。2019年における、対象は新潟県津南町の中学3年生55名(男32名,女23名)である.健診時に身長,体重,腹囲の測定と採血を施行した.HOMA-Rが2.5以上をIRとし,FLIが60以上をFLとした.男児と女児にてMann-Whitney検定とx2検定を用いて比較し,HOMA-RとFLIの相関をSpearmanの順位係数を用いて検討した. HOMA-Rは2.0(1.4-3.1),FLI 2.7(1.8-6.3),BMI 20.4(19.0-21.9) kg/m2,腹囲69.4(65.4-76.1)cmであった.HOMA-Rは男児と女児で有意差を認めなかったが,FLIは女児の方が高値な傾向であった(p=0.254,p=0.091).IRは男児と女児で有意差を認めなかったが,FLは女児で有意に多かった(p=0.238,p=0.036).HOMA-RとFLIは男児で有意でなかったが,女児においては有意な相関を認めた(r=-0.012,p=0.952,r=0.705,P<0.001). HOMA-RとFLIは男児で相関を認めなかったが,女児は有意に相関していた.IRは女児の脂肪肝を予測する指標となる可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
津南町において、対象とした中学生の健康診断は春先に実施されており、2018年度は、春先の実施に、検査項目追加をすることができなかった。従って、本人、保護者の同意を得て、研究項目が測定できたのは2019年度が初めてである。 また、津南町とよい関係を構築し、非常によい雰囲気で2020年度も継続する予定であったが、新型コロナウイルス感染予防のために健康診断が延期され、いつ、施行されるか、現状では予定が立っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
津南町において、対象とした中学生の健康診断は春先に実施されており、研究項目が測定できたのは2019年度が初めてである。 今後、津南町とよい関係を構築し続け、現在延期になっている2020年度の春も測定を行い、さらに、状況が許せば、2021年度にも測定を継続し、十分なN数を集めた段階で、集計し、論文化する作業に取りかかる予定である。
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Causes of Carryover |
概ね、予定していた検査を行うことができ、1年目のみのデータであるが、学会報告もすることができた。次年度使用額は当該年度の所要額の10%未満であり、次年度使用額が生じたことは事実であるが、概ね予算通りの運用ができていると思われる。
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