2020 Fiscal Year Research-status Report
Role of acetylation in alcoholic liver disease
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18K10130
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西谷 陽子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (30359997)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アルコール / 日内変動 / コラーゲン培地 |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは今まで初代培養肝細胞を用いてのアルコールによる細胞内情報伝達系の変化を検討して来た。その中でアルコール脱水素酵素ADHで消費する補酵素NADに依存性の脱アセチル化を行うsirtuinは影響を受ける可能性が指摘されており、それに伴う脂質代謝制御の異常や概日リズムへの影響も指摘されている。これらの検討するうえで、今までの初代培養肝細胞では軽微な変化はあるものの明確な変化までは確認できず、より生体に近い状態で細胞を培養する必要があり、まずコラーゲンサンドイッチ法による培養方法の検討を行った。細胞自体は、従来のコラーゲンプレートによる細胞培養と比較すると細胞間の接着が良く、肝細胞 本来の正常が残っている可能性がある。また、従来のコラーゲンプレートに比較して1週間程度経過しても形態的な観察では細胞の状況は良く、1週間程度の長期の培養にも耐えうると判断した。コラーゲンゲルへのエタノールがどれくらい浸透速度や状況についても検討を実施しているところである。今後コラーゲンゲルを用いた培養で概日リズムを同調を試み、その確認をmRNAの発現状況で確認した上でアルコールの影響を見る予定である。現在準備に手間を取っている段階である。また従来の24時間サイクルの概日リズム以外にもより短い12時間サイクルの概日リズムの知見があり、12時間サイクルは日々の食事、体温、認知機能、様々なホルモンに関係するとの報告もあり検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度は実務活動(法医解剖)が急増したため十分な時間を割くことが困難であった。教室内の人員を増加させることより今後は比較的時間をさける予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
従来の方法であるmRNAを定量的RT-PCRで実施する一方で、現在生まれている様々な新規の手法を試みる予定である。また、24時間サイクルの分子だけでなく12時間サイクルなどのより短期の体内時計分子についても検討する予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度は実務活動(法医解剖)の事例数が急増したために十分な時間が確保できなかった。今後、若手法医学者の育成が進んでいることより業務を分散することが可能であることより研究活動を推進することができる予定である。
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