2019 Fiscal Year Research-status Report
テネイシンCによる脳組織傷害受傷の経過時間推定法の応用に向けて
Project/Area Number |
18K10131
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大津 由紀 熊本大学, 技術部, 技術専門職員 (90404342)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | テネイシンC(TN-C) / 免疫組織化学染色 / 受傷経過時間推定 / 経日変化の指標 / 脳組織傷害 / 血栓モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
当初は法医学領域において、テネイシンC(TN-C)抗体を用いて脳組織損傷の受傷時期を推定することを目標に掲げていたが、法医解剖事例において「頭部外傷」の症例数が少ないこともあり、まずは試料を血清、脳髄液、心嚢液を採取可能な症例分の集積継続中である。 今年度は多角的にアプローチしていくことにし、コロナの蔓延の前に和歌山県立医科大学法医学教室の近藤稔和教授のご指導のもと、研究者が県立大学に実際に出向いて数日間指導を仰いだ。 和歌山医大での研修内容として、マウスの血栓モデルの経日的病理組織をTN-Cの免疫組織化学の条件(熊本大学から準備していたTN-C抗体は適合していることが判明)の設定、またTN-C陰性/陽性及び陽性面積のスコアリング方法等を習得し、当研究室でTN-Cの免疫組織化学染色の立ち上げを導入している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前述の研究実績の概要でも述べたが、本研究の当該年度も内因性・外因性の脳組織傷害の症例を含めた受傷から経日的な頭部外傷の症例が少なく、頭部外傷の時には第3脳室からの脳髄液が採取できないこともあり対応を検討している。 死後CTからの脳組織らしき画像も対象事例の一助となっているので、それは今後も活用したいと考えるが、別のアプローチを再検討している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は脳組織傷害そのものではなくて、硬膜下血腫の発生している部分の硬膜及び血腫部分をTN-Cの免疫組織化学染色を施してみることも検討する。 または頭部外傷モデルマウスを作製して検討、もしくは直接的なアプローチではないが「血栓モデルマウス」の血栓自体にTN-C免疫組織化学を応用してみることも視野に入れようと思う。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍で物流が滞ったり、実験計画を立て直すために次年度に残した。
|