2019 Fiscal Year Research-status Report
Effect of skin cleanser on wound healing
Project/Area Number |
18K10144
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
山下 寛奈 浜松医科大学, 医学部, 助教 (20422751)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 創傷 / 皮膚3次元培養 / 洗浄剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】臨床においては、褥瘡など損傷した皮膚は生理的食塩水や水で洗浄するのがよいとされていますが、洗浄剤で洗わなければいけない、あるいは洗浄剤が損傷面にかかってしまう場合があります。そのような際、洗浄剤の種類で創傷治癒に対する影響が異なるのかを明らかにすることが本研究の目的です。 【計画の変更】実験動物の使用数を減らすために、培養皮膚3Dモデルを用いて洗浄剤の創傷治癒に対する影響を評価する計画です。当初の計画では、平成30年度には創傷治癒を妨げにくい洗浄剤について評価でき、2019年度には創傷治癒の早期のマーカーで免疫染色などを行う予定でした。しかし、平成30年度に培養皮膚3Dモデルの構築で1年を費やしました。したがって、本年度から、3Dモデルに洗浄剤を添加する実験ができました。 【方法】培養皮膚3Dモデルに創傷をつくり、種々の洗浄剤を添加して、上皮化の様子を組織学的に観察しました。具体的には、皮膚3dモデルを表皮化するまで培養し、表面をキュレットで傷つけました。その後、生理的食塩水または各種皮膚洗浄剤を表面に添加後、水を数回かけて洗浄剤を除去し、培養を続けました。培養後、培養した組織を固定液に浸し、固定しました。次いで凍結切片を作成し、HE染色をして、組織の上皮化の様子を観察しました。 【結果】何も添加しなかった群(非添加群)と生理的食塩水添加群は同様の上皮化を示しました。石鹸溶液添加群あるいは各種ボディーソープ溶液群は、創傷部位の上皮化が非添加群・生食添加群と比較しひどく遅れており、各洗浄剤間における大きな差は見出すことはまだできていません。今後は、洗浄剤間での差を明確にできるかどうかを目標に実験していきたいと考えています。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成30年度にこの培養モデルの確立に時間を要したために計画から大幅に遅れ、今年度もその遅れを回復できていない状況です。
|
Strategy for Future Research Activity |
実験する皮膚洗浄剤の数を3種類程度に絞り、少ない実験回数でも評価していきます。 新型コロナウイルス感染症の影響で、培養に必要な消毒用アルコール等が入手しにくくなっていますので、培養できる機会が限られてくる恐れがあります。慎重に実験計画を立てて研究していきたいと思います。
|
Causes of Carryover |
計画が遅れているため、学会発表ができず、旅費やその他(施設利用費)を使用しなかった。
|