2019 Fiscal Year Research-status Report
がん治療後のリンパ浮腫における画像評価に基づく弾性着衣の選択と圧迫療法の定量評価
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18K10152
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
塚越 みどり 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (60405016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 二郎 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (70244449)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 乳がん術後リンパ浮腫 / 弾性着衣 / 圧迫療法 / 弾性着衣 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳がん術後続発性上肢リンパ浮腫の診断で、LVA術後1年以上を経過した乳がんの術式、、治療内容、リンパ浮腫の重症度を調査した。 対象と方法:対象は、乳がんの治療内容が明確に記録されている43症例とした。 結果:乳がんの術式は、乳房部分切除は17名(39.5%)、乳房全摘は26名(60.5%)であった。患側は右側20名、左側22名、両側1名であった。リンパ浮腫の重症度は、リンパシンチグラフィーによる重症度分類(Maegawa分類)でTypeⅡ~Ⅴであった。全対象者がLVA術前は平編みもしくは丸編みの弾性スリーブによる圧迫療法を行っていた。LVA術後1年後以降、弾性スリーブによる圧迫療法を継続する患者(以下、継続群)は12名(27.9%)、中止した患者(以下、中止群)は31名(72.1%)であり、有意差を認めた(p=0.005)。圧迫療法が中止になるまでの期間は、平均10.5±6.4ヶ月であった。乳がんに対する放射線療法、化学療法実施の有無は群間で有意差はなかった。しかし、化学療法において、タキサン系抗がん剤の投与の有無は、中止群では投与11,名、非投与20名、継続群では投与9名、非投与3名で、中止群においてタキサン系抗がん剤の非投与症例が多く有意差を認めた(p=0.04)。さらに、タキサン系抗がん剤と弾性スリーブ継続の有無について2項ロジスティック回帰分析を行ったところ、有意差を認めた(p=0.0182)。 考察:LVA術後に弾性スリーブが中止できることは患者のQOLの向上につながるが、タキサン系抗がん剤を使用し弾性スリーブを継続する患者には適切な圧迫圧や運動習慣、体重の自己管理について今後も指導を続ける必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究予定内容で順調に進んでいる
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Strategy for Future Research Activity |
次年度もがん治療後の続発性リンパ浮腫患者の圧迫療法について調査を予定している。特に夜間の圧迫については、エビデンスとなるデータが蓄積されていないのでQOLを含めた視点で検討する。
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Causes of Carryover |
物品費、旅費を当初予定よりも低く抑えることができ、研究チームでデータ解析までを行ったため、人件費も使用せずに予定通りの研究が実施できた。費用を次年度の研究に充当し、圧迫療法に関する調査を行い、国内学会、国際学会などでの成果公表につなげる。
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