2021 Fiscal Year Research-status Report
看護職の病棟組織文化に内在する機能と組織文化のありように関する研究
Project/Area Number |
18K10161
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
二瓶 洋子 東北福祉大学, 健康科学部, 講師 (90468322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 生恵 東北福祉大学, 健康科学部, 准教授 (30323124)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 病棟組織文化 / 看護師 / 恥の機能 / インシデント報告 / 医療安全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、病棟の組織文化に内在する恥の機能に着目し、看護職の病棟の組織文化のありようを明らかにすることである。具体的には次の2点を解明する。1.病棟における看護職の組織文化に埋め込まれている恥や非難の実態を明らかにする。2.インシデント報告書の活用に寄与できる、組織文化のありようを明らかにする。研究方法はエスノグラフィーで実施した。 令和3年度は以下の2点に取り組んだ。 1.1施設の病棟参加観察および参加観察病棟の看護師にインタビュー調査を実施し収集したデータをエスノグラフィーの分析手順に基づき質的帰納的に分析した。2.データの分析結果をまとめて、病棟の組織文化に内在する看護職の恥とはどのような現象であるのか、インシデントなどのミスが起きた場合に非難するような文化が存在するのかを明らかにした。 1,2の成果としては、看護領域における恥の概念を整理し、論文としてまとめ投稿することができた。病棟の組織文化が看護職の仕事上或いは組織内での恥の捉え方に影響することが明らかになった。くわえて、恥という現象は、病棟における仕事の協力体制や人間関係にも組織の文化に様々な影響を受けていることも明らかになった。 看護職独自の組織文化について意見交換を行うワークショップを開催予定であった が、新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止の観点より開催の見通しが立てられなかった。 次年度は、引き続きデータの分析を継続し、得られた知見について学術集会での報告や論文作成を行う予定である。今年度計画できなかったワークショップについては、オンライン形式など開催方法を再度検討し、実施できるようにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
・新型コロナウイルス感染症のまん延により、研究参加病棟、対象看護師のデータ収集期間が当初の研究計画より遅れたため、分析結果を論文にまとめ、研究成果を公表するまでに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
・令和4年度は研究成果を論文としてまとめられるよう計画的に論文執筆を行い、研究成果を公表できるようにする。質的帰納的分析のため、研究者間以外にも質的研究経験者にスーパーバイズを受ける機会を作り、分析の信頼性、妥当性を確保する。 ・看護職組織文化に関する意見交換会、ワークショップの開催について:令和3年度もCOVID-19感染拡大の収束の見通しが立たない状況でありワークショップを開催できなかったため、今後はオンライン形式にするなど開催方法、時期を再検討する必要がある。
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Causes of Carryover |
研究成果を国際誌および国内誌に投稿する際の英文校正料、投稿料金の支払いに費用が必要である。 国内の学術集会で発表する際の参加費、旅費が必要である。 ワークショップを対面形式で開催する場合は、会場費や資料印刷代などに費用が必要である。その他データを保管するためのUSBメモリ、印刷用紙など事務用品購入に費用が必要である。
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