2018 Fiscal Year Research-status Report
熟練看護師の視線計測を用いた高齢患者の転倒防止のための移動援助モデルの構築
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18K10162
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Research Institution | Ibaraki Christian University |
Principal Investigator |
辻 容子 茨城キリスト教大学, 看護学部, 准教授 (80460103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 悦子 順天堂大学, 保健看護学部, 先任准教授 (40329181)
杉原 真裕子 茨城キリスト教大学, 看護学部, 助教 (90737941) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高齢者 / 転倒防止 / 移動援助技術 / 視線計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、医療施設内における高齢患者の転倒事故防止に向けて、高齢者が移動する際の熟練看護師の援助の実際を分析することにより、熟練看護師の「わざ=観察眼・技術」を移動援助モデルとして構築することが目的である。観察眼の評価として視線計測を行い、移動援助する時の看護師の観察する視点を分析していく。看護師の高齢者に対する移動援助は、高齢者のできる力を支援することを念頭に転倒の防止に注意を向け、「見守り」という援助を実施している。その「見守り」を行う視点を、客観的指標をもとに明らかにすることは看護師のわざを具体化することに繋がると考える。 初年度は、計測を実施する準備として、実施する場面や高齢者が移動する時に観察されている点について、測定項目の条件を整理することを目的に文献検討を行った。その結果、先行文献では、移動について分析された看護援助場面は、排泄(動作の過程)、車いす移乗、歩行(術後の離床)であった。観察点は、神経症状、移動時のバランス、姿勢、コミュニケーション内容、手すりなどのつかむ物、靴の履き方、ルート・ドレーン類の配置などであった。移動援助が多いとされる排泄について、高齢者の排泄動作の過程を分析した研究は、動作場面は座位までであり、排泄後から歩行に至るまでの観察点は具体的に明らかにされていなかった。また、観察点は転倒の内的要因である高齢者の身体機能をはじめ、外的要因である物品の配置、履物に関する項目が主であった。これらの内容を踏まえ、今後は計測する場面の設定と文献検討から明らかとなった観察点の項目を分析視点に取り入れ、計測に向けた内容を調整し実施へとつなげる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
主任研究者が所属する学部で統括する担当チーム体制が変更となり、当初計画していた研究体制ではなくなった。今後は、計測実施に向けてのマンパワーの確保に努め、計画を進めることが課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
文献検討の結果については、2019年6月に日本老年看護学会第24回学術集会(仙台市)において発表する予定である。文献検討を踏まえ、高齢者の移動時における観察点を整理し、実施場所の選定を行い、初学者と看護師を対象とした視線計測を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
計測の実施を来年度以降としたため、実施時に必要とする人件費・謝金を使用することはなかった。次年度使用額の計画としては計測を実施するにあたり、計測補助者への人件費と参加者への謝金として、2018年度分の繰り越し予算額と合わせ使用する予定である。
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