2020 Fiscal Year Research-status Report
The development and verification of the hypothesis whether the information-development-process would vary in accordance with the maturity of nurses.
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18K10165
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
辻 由紀 帝京科学大学, 医療科学部, 講師 (10771678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 雅子 東京有明医療大学, 看護学部, 准教授 (20563513) [Withdrawn]
前田 樹海 東京有明医療大学, 看護学部, 教授 (80291574)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 観察 / 知覚 / 熟達化 / 情報処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、看護師が実践する看護を思考するプロセスとそのプロセスの熟達化の仮説を構築することが目的である。今年度は昨年度作成した3種類の観察画像を用いて、看護系大学教員、看護師経験30年以上の看護師を対象に第2段階のパイロット調査を実施した。3種類の観察画像は看護師経験20年以上の経験をもつ看護師にヒアリングを行い、画像に再現した模擬患者の臨床症状の適否について評価を受けたものである。今回の調査対象者を看護師経験30年以上の看護師としたのは、実践する看護の思考プロセスの熟達化を調査するにあたり、調査対象者となる看護師の経験年数を再考するためである。 調査の結果、観察画像に再現した臨床症状の不適切さや実験の枠組みに関する課題が浮上した。さらに、看護師経験30年以上の看護師の経験から思考の熟達化を推測させる臨床症状、また、患者や周囲環境の状況に関する示唆が得られた。そこで、作成した観察画像の内、1種類の観察画像は材料として不適切と判断し除外した。そして、看護師経験30年以上の看護師の発話を参考にして、新たに2種類の臨床症状を再現した観察画像を作成すると同時に実験の枠組みを修正した。 今年度は実験材料、実験の枠組みを再考し、また、調査対象者の選定条件に該当する看護師経験年数について示唆が得られた。今後は調査対象を看護師経験年数が異なる看護師や看護学生に広げ、再考した実験プログラムが思考プロセスの熟達化を測定することが可能なのか評価する。また、アイトラッカーを併用して予備調査を行い実験方法の適否を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
調査参加者の募集は、COVID-19の影響から病院に勤務する看護師に協力依頼をすることがかなり難しい状況であった。また、今年度の調査対象者は看護師経験30年をもつ看護師であったことから、条件に該当する調査参加者の確保に時間を費やした。調査方法を対面式で行う方法からオンラインを活用した方法に変更することで調査参加者の協力が得られた。しかし、アイトラッカーを使用した眼球運動の測定はオンラインでは不可能であるため、これについては2021年度にパイロット調査を行うことに変更せざるを得なくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
調査対象者を看護師経験の異なる看護師や看護学生に対象を広げてパイロット調査を行い、材料を含む実験方法の適否を評価し実験の段階に進む。調査参加者の募集は施設への依頼を早い段階で行い、調査時期はCOVID-19の状況を鑑みて施設側と調整して決定する等、計画的に活動する。調査参加者の安全が保証できるように調査を遂行する。
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Causes of Carryover |
今年度はCOVID-19の影響により調査参加者の募集が難しく本調査が2021年度に先送りとなったため、生じた次年度使用額の予算は調査参加者の謝礼やデータの整理等の人件費として運用する。
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