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2022 Fiscal Year Research-status Report

看護系研究における研究倫理指針の構築──フィンランドをモデルとした国際比較

Research Project

Project/Area Number 18K10167
Research InstitutionJuntendo University

Principal Investigator

長沼 淳  順天堂大学, 保健看護学部, 先任准教授 (90424233)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 榎本 佳子  順天堂大学, 保健看護学部, 准教授 (20637102)
酒井 太一  順天堂大学, 保健看護学部, 先任准教授 (50363734)
山下 巌  順天堂大学, 保健看護学部, 教授 (70442233)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2024-03-31
Keywords市民の自律性 / 倫理教育 / 自律性を涵養する教育
Outline of Annual Research Achievements

延長年度である2022年度は、2019年度までの調査内容の精査を行った。フィンランドで調査内容について、幼稚園、小学校、高等学校、大学それぞれについてインタビュー内容をテキストベースで分析するとともに、撮影してきた静止画、動画を同時に確認し、そこで行われている教育内容について倫理的態度、自律的な姿勢を育成する方法をまとめた。外国人が増加しているヘルシンキ都市圏近郊のエリアではフィンランド人だけでなく外国人をフィンランドの市民へと教育することに時間を割いている幼稚園段階から、市民として職業を選択する第一歩を見極めさせることを強く意識し進路を見すえた高等学校に至るまでの段階をまとめ、中間報告として学会発表を行い論文化した。そこではフィンランドにおいて乳幼児期から高等学校まで園児、児童、生徒の自律性を育成するに当たって特徴的な方法を抽出し分析を行うことでその方法論についての新奇性を明らかにすることができた。
しかし、2020年以降のコロナ禍にあって、対面での教育が難しくなり、直接関わらずに同様の教育方法を模索し、状況は一変しているとの情報が研究協力者より提供された。さらにはロシアによるウクライナ侵攻によってロシアと国境を長い距離にわたって接するフィンランドにおいても、ロシアに対する感情が冷却し、人的にも経済的にも交流が活発であった環境が変化することにもなった。そのような環境の変化によって、教育においても基本的な考え方に少なからぬ変化がもたらされることが予想されている。そうした状況の変化は、第三者的な視点から見ると、教育の方法論、思想の転換点を直接目撃することにもなり、コロナ禍、ロシアの存在感の変化とフィンランド市民の自律性についてその思想的基盤を注視していきたい都考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の予定では、フィンランドでの調査結果を直線的に分析を行い、我が国の教育における自律性涵養の方法を確認し、研究者の倫理観醸成の基盤を確認する予定であった。しかし、コロナ禍による移動制限、ならびに対面での調査を実施することが困難になったために国内における調査が大きく制約を受けることになった。また調査に対する協力も感染の影響を心配する対象者、所属機関からの制限があり、対面調査、質問紙調査への協力も想定を下回ることとなった。
また研究の主対象である看護系大学における研究そのもの実施環境も、コロナの影響を直接的に受け、全国の大学において研究そのものが停滞する状況になった。そのため、本格的調査に着手する前にいくつかの大学を対象とした研究倫理審査の実施状況についての調査においても、コロナ禍を背景とした倫理審査の実態についての問題点が多く出されることになり、本研究の本来の目的を果たすような調査の実施が難しいことが予想されることになった。
そのため、本研究もコロナ流行以前の時期とコロナ流行の期間中の時期を考慮に入れながら、収集済みの調査情報を分析を行いまとめる方向で本研究を進めようと検討中である。また、今後の研究の課題としてコロナ禍における看護研究の実施状況とその支援体制やコロナ禍であるからこそ明らかになった研究計画立案、実施における研究倫理上生じた課題について調査を行い、引き続いての研究課題として調査、議論を深化させたいと構想している。

Strategy for Future Research Activity

2023年度は本研究の最終年度に当たるため、これまでの調査内容、分析内容、検討内容を最終報告書にまとめることに注力したい。とはいえ、当初の計画と比較して、必要な情報が不足していることは否定できないため、既存の資料との比較を行い、またコロナ禍における環境の変化をふまえた分析を行うこととしたい。すなわち、コロナ禍のような行動制限が大きくかかる状況においても変わらず存在する看護研究における研究の方向性とコロナ禍のような環境が研究に方向性に大きな変更を要請してくる要素を分別し、倫理審査が考慮すべき研究実施のための支援体制、配慮すべき研究の実施の方法を検討する。そこでの違いから看護研究者に求められる自律性の質を明らかにすることができればと考えている。

Causes of Carryover

研究の最終年度として、論文発表のための準備資金が必要になったため。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)

  • [Journal Article] ゲノム編集技術研究の現状と課題2022

    • Author(s)
      長沼淳
    • Journal Title

      哲学誌

      Volume: 64 Pages: 1-15

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 研究者自律性涵養のモデルをフィンランドに見るための基礎調査2022

    • Author(s)
      長沼淳
    • Journal Title

      I'NEXUS

      Volume: 11-12 Pages: 71-76

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2023-12-25  

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