2019 Fiscal Year Research-status Report
患者-医療者関係の再構築に向けた患者参加の概念の体系化と推進方策に関する研究
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18K10168
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
大西 麻未 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (10451767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 郁美 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (50846110)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 患者参加 / 医療者-患者関係 / 協働 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、既存の文献を用いて患者参加の概念整理を進めながら、量的に少ない国内での知見を得るため質的な調査を実施した。患者参加または医療者-患者間の協働を推進する活動を行っている医療者、及び患者経験を有する人々を市民団体・患者団体等を通じて募集し、17名を対象に、患者参加とは何か、患者参加の促進要因・阻害要因にはどのようなものがあるかを明らかにするインタビュー調査を実施した。患者参加または医療者ー患者間の協働の中心的要素としては、医療者-患者間で患者の望む生活を基盤としたコミュニケーションがあることであった。また、患者参加の促進要因として、患者自身が自己決定の必要性を感じること、互いを知る機会、考えを伝える機会があること、患者同士の交流などピアからの支援を得られることがあげられた。医療者側要因として主なものは、医療者が患者のペースに合わせる、医療者側の努力が伝わるなどであった。一方、患者参加の阻害要因としては、患者の医療に関する経験の不足、機会や余裕のなさ、医療者側要因として、組織人としての役割などが明らかになった。双方に共通する要因としては、患者の役割に対する認識があげられた。時間不足などシステム要因も語られる一方で、患者参加が進むことで目標の共有や治療の受け入れにつながり、長期的な診療の効率性は高まるとも考えられていた。患者参加は医療者-患者間のコミュニケーションの取り方や内容の中にその特徴が現れ、その程度には双方の意識を含む、複数の要因が関連していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年の結果を踏まえ有識者インタビューを実施することができた。しかし、研究者自身の体調不良による予定の変更があり、今後の実証研究の計画立案にまだ至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、すぐに医療機関での調査を行うのは困難な状況があるが、分担者と連携し今後の計画を立て可能な時期にすぐに開始できるように準備する予定である。
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Causes of Carryover |
前年度、研究者の体調不良により予定変更が生じており、量的調査の実施に至らなかった。今後は調査票の作成や印刷費用等で使用する予定である。
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