2018 Fiscal Year Research-status Report
早期離職後、再就職し職業継続している新人看護師から考えるシームレスな教育支援
Project/Area Number |
18K10170
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
佐々木 幾美 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (90257270)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 早期離職 / 新人看護師 / 再就職 / 職業継続 / 教育支援 / シームレス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、早期離職をした新人看護師が再就職した医療施設で職業継続できている実態を、職業選択とその後の職場適応およびキャリア支援の点から明らかにするとともに、看護基礎教育から継続教育へのシームレスな教育支援のモデルを作成し、運用に向けた準備をすすめることである。今年度は国内外の文献レビューと病院管理者からの情報収集を行った。 文献検討では、新人看護師の離職や離職願望に影響に関する研究として、職場適応やストレスといった観点から研究されているものが多く、職場内の人間関係や看護実践能力、業務への責任感、勤務環境などが離職に影響する要因として挙げられていた。また、早期離職をした新人看護師が再就職する上での体験として、不確かな職業意識が現実的な看護の職業につく自分に変化する過程が示されており、看護基礎教育の時点から継続的な支援が必要であることが示唆されていた。一方、看護学生の職業選択については、進路決定に影響した情報が明らかになっており、その中でも中小規模病院を選択した理由として、職場の魅力と安心感が示されていた。 病院の管理者10名に対して情報収集を行った結果、早期離職をした新人看護師を採用したことがあったのは、病床数299床未満の病院がほとんどであり、300床以上399床以下では稀で、病床数が400床以上の病院では採用したケースがなかった。採用する背景には新人看護師の確保の難しさが関係していることが語られた。 これらの結果を踏まえて、質問紙調査の枠組みを作成し、質問紙の項目および標本抽出方法の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は新人看護師が再就職した医療施設で職業継続している実態について、看護管理者または研修責任者を対象に質問紙調査で明らかにする予定であったが、再就職した新人看護師にも同時に質問紙調査を実施することで、当事者の捉える実態が把握できると考え、計画修正を行った。そのため、質問紙調査の時期が次年度になった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の前半で質問紙調査を行い、後半でインタビュー調査を実施する。インタビューの参加者としては、①早期離職をした新人看護師を受け入れたことがある看護管理者または研修責任者、②早期離職後の再就職先で職業継続している新人看護師とする。看護管理者または研修責任者へのインタビューでは、早期離職をした新人看護師を受け入れた状況とその教育支援について調査する。新人看護師へのインタビューでは、職場選択とその後の職場適応および求めるキャリア支援について調査する。
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Causes of Carryover |
今年度は新人看護師が再就職した医療施設で職業継続している実態について、看護管理者または研修責任者を対象に質問紙調査で明らかにする予定であったが、再就職した新人看護師にも同時に質問紙調査を実施することで、当事者の捉える実態が把握できると考え、計画修正を行った。そのため、質問紙調査の時期が次年度になり、質問紙の印刷、郵送、入力等に係る経費を使用しなかった。
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