2019 Fiscal Year Research-status Report
早期離職後、再就職し職業継続している新人看護師から考えるシームレスな教育支援
Project/Area Number |
18K10170
|
Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
佐々木 幾美 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (90257270)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 早期離職 / 新人看護師 / 再就職 / 職業継続 / 教育支援 / シームレス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、早期離職をした新人看護師が再就職した医療施設で職業継続できている実態を、職業選択とその後の職場適応およびキャリア支援の点から明らかにするとともに、看護基礎教育から継続教育へのシームレスな教育支援のモデルを作成し、運用に向けた準備をすすめることである。2019年度は質問紙調査の一部実施とインタビュー調査の準備を行った。質問紙調査の目的は、早期離職をした新人看護師が再就職した医療施設で職業継続できている実態を明らかにすることである。 質問紙調査では、全国の150床以上300床未満の全病院2452施設に対して研究依頼をし、調査協力に了解を得られた病院に在職する①早期離職後に再就職した看護師、②研修責任者を対象とした。データ収集期間は2020年2月~2020年5月である。早期離職後に再就職した看護師に対する調査項目は、就職時の職場選択の理由、最初の就職先の勤務状況・退職理由、現在の職場選択の理由、再就職後の勤務状況・職業継続の要因、職場適応状況、職場環境、教育支援体制等とした。研修責任者に対する調査項目は、新人看護師の採用数・退職数、早期離職後に再就職した新人看護師の採用数・退職数・採用理由、再就職後の勤務状況・職業継続の要因・職場適応状況、職場環境、教育支援体制等とした。研究協力依頼をした結果、501施設(20.4%)から回答があり、協力が得られた39施設(7.8%)に在職する①早期離職後に再就職した看護師75名、②研修責任者39名に質問紙を配布した。39施設の病床規模は、150床以上200床未満が24施設、200床以上250床未満が8施設、250床以上300床未満が7施設であった。501施設中451施設(90.0%)は早期離職後に再就職した看護師がいないという回答であった。 インタビュー調査では、早期離職後に再就職した看護師4名と研修責任者3名から協力の内諾を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
早期離職後に再就職した看護師用の質問紙と研修責任者用の質問紙を関連させて分析できるように構成するのに少し時間を要した。また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、調査協力の同意が想定より少なかったため、統計的な分析が難しい状況にある。新型コロナウイルス感染症の影響を考え、インタビュー調査については、内諾は得られているが、次年度に実施する計画とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
質問紙調査については、新型コロナウイルス感染症の動向を考慮しつつ、100床以上150床未満の全病院1441施設を追加して、同様の調査を依頼する予定である。また、インタビュー調査についても、同様に感染拡大の動向を考慮しつつ、一部オンラインを用いた調査方法に切り替えるなどして実施する。 看護基礎教育機関におけるキャリアガイダンスに対するヒアリング調査についても同様に、オンラインを用いた調査方法を取り入れて実施する。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大により、インタビュー調査についての内諾は得られているが、2019年度の実施は見送り、2020年度に実施する計画とした。そのため、謝礼や交通費、逐語録作成の委託費を使用しなかった。 質問紙調査については回収率が悪いため、新型コロナウイルス感染症の拡大・収束の動向を考慮しつつ、100床以上150床未満の全病院1441施設を追加して、同様の調査を依頼する予定である。インタビュー調査およびキャリアガイダンスに対するヒアリング調査については、一部オンラインを用いた調査方法を取り入れて実施する。
|