2019 Fiscal Year Research-status Report
組織の看護師特性に合わせた新倫理教育方法開発に関する研究
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18K10174
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
中村 美起 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 准教授 (70741255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 理恵 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 助教 (40759205)
今井 奈妙 三重大学, 医学系研究科, 教授 (90331743)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 看護倫理 / 看護倫理教育 / 道徳的基盤 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は 2018年度の研究結果を踏まえ、第2段階の研究として、臨床における看護師の道徳的基盤及び看護師の倫理的感受性、看護師の性格特性の関連を明確化することを目的として研究を行った。 【研究方法】量的研究 【研究対象】国立大学付属病院1施設、日本赤十字社関連病院1施設、厚生連(JA)関連病院2施設、医療法人2施設に所属する、看護管理者(看護師長・副師長・教育担当副部長)と被管理者(1年目の新人看護師を除外した看護師)で承認の得られた920名を対象に、アンケート調査を実施した。アンケート調査には道徳基盤尺度・道徳的感受性尺度・反社会的パーソナリティ尺度の3つの尺度を用いた。【倫理的配慮】Adaigaku 臨床研究倫理審査会の承認(承認番号:375)を受け実施した。【分析】記述統計 【結果】アンケート回収数は748名。回収率は81.3%。有効回答率は97.9%であった。臨床で看護倫理が必要と回答した看護師:485名、必要と思うがよくわからない:258名、不必要:3名であった。看護倫理を臨床で教授した経験のある看護師は210名。臨床で看護倫理教育の研修を受講した看護師は596名、受講経験がない看護師は68名、受講したかどうかわからないと回答した看護師は71名であった。 看護倫理の理解度は、難しくてわからない:126名、少しわかる:528名、理解している80名であった。Haidt, J.ら(2012)の提唱する道徳基盤尺度を用いた結果、日本の看護師の道徳的基盤はアメリカの社会保守主義者のマトリックスと同様であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度と2019年度の研究結果で得られた知見を基にし、新たな看護倫理教育方法を創出するのが最終目的である。今後は、2019年度に得られたデータをSpss及びAmosを利用し、重回帰分析とパス解析等を行い、道徳基盤理論に照らし合わせた看護師の道徳判断特性、看護師の倫理的感受性、看護師の性格特性の関連を明確化していく。それら得られた知見を基に新たな看護倫理教育方法の検討していく。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年4月~2021年3月に、第3段階の研究として第1・第2段階の研究結果を関連文献と対比・検討し、道徳的基盤に基づく看護師の倫理観に関する知見を踏まえ、新たな看護倫理教育方法を創出する。 そのために、2020年4月~9月に第1・第2段階の研究結果を関連文献と対比・検討し、道徳的基盤に基づく看護師の倫理観に関する知見を得る。 そして、2020年10月~2021年3月を目途に新たな看護倫理教育プログラムを創出し、創出したプログラムの実施に向けて対象施設の検討・決定を行い、承認を得ていく。 また、道徳基盤理論に照らし合わせた看護師の道徳判断特性、看護師の倫理的感受性、看護師の性格特性の関連についての論文を作成していく。
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Causes of Carryover |
2019年度に実施したアンケート調査の入力を外部委託しなかったため、人件費と謝金に未使用が生じた。また年度末に予定していた研究に関係する学会開催が、COVID-19感染拡大防止のために直前中止が相次ぎ、交通費に未使用が生じた。
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Research Products
(2 results)