2018 Fiscal Year Research-status Report
看護学研究の倫理審査を行う側と受ける側への調査で把握した課題に基づく教育
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18K10176
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
大西 香代子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (00344599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箕輪 千佳 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (10520835)
有江 文栄 上智大学, 生命倫理研究所, 准教授 (40465521)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 倫理委員会 / 看護学研究 / 倫理審査 / 面接調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本の倫理審査委員会委員及び研究者を対象に日本の看護学研究の倫理審査についての現状と課題について調査し、諸外国での看護学研究の倫理審査における制度や政策の動向、委員への教育研修内容を参考にして、日本における課題を解決するための方策を提案することを目的としている。本年度は、まず、審査を受けた経験のある看護学研究者が感じている問題点を調査し、課題を明らかにすることを目標とした。 そこで、今年度は、看護学研究者が遵守しなければならない「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」が出された平成26年12月以降に倫理審査を受けた看護学研究者に対する面接調査を実施した。この調査は平成30年5月に倫理委員会の承認が得られ、8月から12月までの間に10人を対象として面接を行った。 対象者の研究経験年数は6-25年(平均13.9年)、全員女性で大学の教員で、「指針」施行後の倫理審査受審回数は2-4回であった。インタビューは、23分-51分(平均35分)だった。 その後、研究代表者が中心となり質的帰納的分析を行い、妥当性を高めるために、全員で分析結果を検討した。分析の手順は、逐語録から倫理審査を受けての思いを表した部分を1意味内容ごとに区切り、要約したものをコードとした。その結果、297コードが抽出された。ここまでの段階は全員での検討を終えている。今後、コードから類似の内容を集めて、サブカテゴリ、さらに抽象度を上げてカテゴリ、コアカテゴリへとカテゴリ化を進めていくが、この部分はまだ全員での検討が終わっていない。 また同時に、来年度の質問紙調査の資料とするために、医中誌から文献を検索し取り寄せ、さらに、それぞれの文献に記載されている参考文献で関連するものも集めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、4年間をかけて実施する予定であり、初年度である平成30年度は、看護学研究の倫理審査を受ける側の研究者に面接調査を行い、分析することを計画していた。順調に10名の面接を行うことができ、また分析も進んでいる。分析は全員で検討し進めているが、コード生成までで、カテゴリ生成までいかなかった。しかし、すでにカテゴリの原案はできており、2年目早々に分析を終えられるよう研究会議を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初に計画したとおり、面接調査で明らかとなった倫理審査を受けた看護学研究者の倫理委員会に対する思いに関する分析結果を、看護系の学会にて発表する予定である。同時に、論文として発表する準備も進める。 また、この調査で得られた結果をもとに、倫理審査を受けた全国の看護学研究者を対象とした質問紙調査の調査項目を検討、2019年度末に実施する予定である。
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Causes of Carryover |
研究会議を研究代表者の大学で2回行う予定だったが、東京で行ったこと、しかも、そのうちの1回は、東京で開催された学会の開催に合わせたことで、交通費が少なくてすんだ。 3年目、4年目に予定している海外研修の予算が、請求通りには支給されないので、それに充当したい。
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