看護業務基準の基礎教育における活用

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 18K10183
• Research Institution: Chiba University
• Principal Investigator: 手島 恵 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50197779)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 吉田 千文 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (80258988) [Withdrawn]
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: ヘルスケア倫理 / 看護倫理 / 看護管理 / 医療安全 / 倫理綱領

Outline of Annual Research Achievements

少子高齢化の進展、医療技術の進歩、国民の意識の変化により、医療はますます複雑化している。そのような状況に加え、自然災害や感染症拡大時の対応など、看護師に期待される役割はますます大きくなっている。
医療の現場で学んだり働いたりする看護学生や看護職の背景は、多様となり、様々な社会経験を経たのちに看護を学び看護職に就く人が増えてきている。このような複雑な医療の現場で多様な背景をもつ人材が、安全で安心できる医療サービスを、どのような時にも提供できるようにするためには、看護業務基準に代表されるような、看護実践における基盤となる価値観を共有することが重要である。
日本における看護基礎教育の中で、看護業務基準と倫理綱領がどのように活用され、基本的価値として共有されているかを明らかにする調査を2020年度に実施する予定であった。この間、看護業務基準の内容にも反映される日本看護協会の看護者の倫理綱領の改訂が行われた。改訂の内容には、社会正義や健康格差、グローバルな視点で倫理について考える内容が盛り込まれている。また、国際看護協会の倫理綱領の改訂も進み、学生の活用も視野に入れた検討が進んでいる。
COVID-19感染拡大と遷延により、調査方法や対象を熟考する必用が生じたため調査の実施を1年延期した。2021年度の上半期には、この間に生じた上記の内容を反映した調査内容を再考し、調査を実施して結果を明らかにし、報告する予定である。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

前年度までの計画において、国際看護協会の倫理綱領が予定より遅延し、その影響で日本看護協会の倫理綱領の改訂が遅れていたが、3月15日に公表となった。質問紙調査を2019年度に行う予定であったが、COVID-19の感染拡大により、対象や方法を検討する必用が生じたために送れている。

Strategy for Future Research Activity

この研究の柱である看護業務基準の中に盛り込まれている、日本看護協会の倫理綱領が2021年3月に公表されたため、2021年度の上半期に質問紙調査をWeb等を持ちいて実施し、下半期に研究結果を報告する予定である。

Causes of Carryover

COVID-19感染拡大により、2020年度に予定していた質問紙調査を実施することができなかったため、次年度使用額が生じた。2021年度は、感染状況にあっても、Web等を用いて工夫を行いながら、上半期に調査を実施して、最終結果を報告する。