2018 Fiscal Year Research-status Report
看護における「チームレジリエンス」の発揮過程-困難からの回復-
Project/Area Number |
18K10184
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
柏 美智 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50747326)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 看護チーム / チームレジリエンス / 困難 / 看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の課題は「看護における『チームレジリエンス』の発揮過程-困難からの回復-」である。研究目的は、看護における「チームレジリエンス」の発揮過程を明らかにすることである。臨床において「チーム」が困難に直面した際に、「チーム」内の相互作用を通して、その困難に対処し、 回復していく過程、すなわち「チームレジリエンス」の様相を、チームの構成員である看護師の体験の語りから明らかにする。 平成30年度は、病棟に勤務し「チーム」が困難から回復する過程を体験した看護師11名を対象に、「チーム」が体験した困難な状況からの回復過程について、チームおよびその構成員の行動や変化を1対1の半構造化面接にて聞き取りを行った。修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチの分析手法を用いて、質的に分析を行っている。 昨年度中に聞き取り調査を実施した9名を加えて、18名の聞き取りを終えた時点で、新しい概念の生成が見られないことを研究者および、スーパーバイザーとで確認した。さらに、2名の聞き取り調査を追加し、最終的に理論的飽和化に至ったと判断し、聞き取り調査を終了した。 分析内容については、研究会にて発表した。また、レジリエンス概念に関する文献検討を論文にまとめ、投稿中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度に予定していた聞き取り調査については、11名の聞き取り調査を分析と並行しながら行い、平成29年度までに調査済みであった9名を加えた20名の分析において、理論的飽和化に至ったと判断し終了した。分析を引き続き行っており、チームレジリエンスのプロセスを導きだす段階である。
|
Strategy for Future Research Activity |
スーパーバイザー(連携研究者)とともに分析をすすめ、看護チームのレジリエンスについて、チームが困難に陥ってから回復・変容に至るプロセスを丁寧にたどり、記述する。また、学会で発表するとともに論文作成に取り組む。当初、平成31年度に予定していた看護チームの参加観察については、平成30年度の聞き取り調査により豊富なデータが収集できていることから、スーパーバイザーと検討し、病棟における参加観察は行わなくても、得られたデータの範囲で分析可能と判断した。分析結果についての妥当性について病棟の看護チームに確認してもらい、分析の信憑性を高めていくこととする。
|
Causes of Carryover |
研究の開始が早まったことにより、研究に必要な物品調達が済んでいたため、当初予定していた物品費としての支出に余剰が生じた。また、旅費は2名分のうち1名分の執行であったため余剰が生じた。次年度は、分析結果の妥当性を病棟の看護チームと検証する際の交通費、および研究成果の発表の際の学会発表のための旅費、論文投稿のための費用として使用することを考えている。
|