2020 Fiscal Year Research-status Report
看護系大学教員における職業キャリア成熟の構造の分析と職業キャリア成熟尺度の開発
Project/Area Number |
18K10185
|
Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
田中 いずみ 富山県立大学, 看護学部, 教授 (80293299)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比嘉 勇人 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (70267871)
山田 恵子 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (00600230)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 看護系大学教員 / 職業キャリア成熟 / 構成要素 / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
看護系大学が急増し、教員の質が問われている背景において、教員の職業キャリア成熟の検討が必要であると考えた。本研究の目的は、看護系大学教員個々の内面的要因を含めた職業キャリア成熟尺度の開発を行うことである。本研究により、看護系大学教員の職業キャリア成熟尺度を開発し自己評価ツールとして使用することにより、教員の能力開発に貢献することができ、より良い看護教育の示唆を得ることできると考える。 初年度は、看護系大学教員・キャリアに関する文献は少ないため、隣接領域である看護師のキャリアに関する文献から概念分析を行い、キャリアという概念の特徴を識別し定義した。看護職におけるキャリアの属性として【特徴ある看護職の社会】,【職業生活における時間的流れ】,【職業生活における学びの深化と方向性】,【人と組織との相互作用】,【個別性のある選択】の5つのカテゴリが抽出された。先行要件として【個人の内的要件】,【個人の外的要件】,【組織側の受け入れ】の3つのカテゴリが抽出された。帰結として【人と組織・社会の相互作用】,【自己への恩恵】,【離職】,【深刻な危機的状態】の4つのカテゴリが抽出された。また、先行研究において「看護専門学校教員の職業キャリア成熟尺度」を開発し、その下位概念として【職場での支え】,【教員としての能力】,【学生との相互作用】,【能力開発のチャンス】を得ている。これらを用いて看護系大学教員に適用する尺度の構成要素を検討するために、令和2年度は、看護専門学校での教員経験を持つ看護系大学教員を対象とし、インタビュー調査を行い、分析を行った。現在まで看護系大学教員のキャリア発達の特徴として【職務における学びの繰り返し】,【チャレンジ精神・覇気】が新たなカテゴリとして得られている。 今後は研究期間を1年間延長し、尺度原案を用いた信頼性・妥当性の検討のための調査を実施する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和元年度に職場を異動し職位が上がったため、それに伴い教育及び大学運営に係わる仕事を優先することとなった。さらに令和2年度はコロナ禍により教育と大学運営に係る負担が大きくなった。そのため研究のエフォートが低くなり、進捗が漸次遅れる状況になった。 現在は、看護系大学教員を対象としたインタビュー調査を行い、その結果をもとに尺度原案の検討に向かっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は研究期間を1年間延長し、尺度原案を用いた信頼性・妥当性の検討のための調査を実施するために、以下のように、研究分担者と検討しつつ進めていく。 ①尺度原案の表面妥当性・内容妥当性の検討を行う。 ②検討した尺度原案と信頼性・妥当性の検討のための尺度を加えた質問表を作成し、全国調査を行う。 ③得られたデータより、尺度の信頼性・妥当性を検討する。 ④研究成果を論文にまとめ、公表する。
|
Causes of Carryover |
本研究における当初の計画では、令和元年度に尺度原案の信頼性・妥当性の検討のための全国調査を実施する予定で、印刷代・郵便代を計上していた。しかし研究計画の遂行が漸次遅れた状況となり、最終年度を1年間延長し、本調査を行うこととした。余剰金の676,586円は本調査を実施する費用に充てるものである。
|