2022 Fiscal Year Research-status Report
入院する高齢者の認知機能低下を予防するための看護介入-足関節運動を用いて-
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18K10188
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
永谷 幸子 静岡県立大学, 看護学部, 准教授 (90452200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 久恵 星城大学, リハビリテーション学部, 准教授 (80444404)
尾方 寿好 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (80415364)
林 静子 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (30346019)
上坂 真弓 中京学院大学, 看護学部, 教授 (40734108)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知機能 / ストループテスト / 受動的運動 / 近赤外線分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知機能を維持増進するためには中強度以上の運動を定期的に実施することが勧められている。しかし多くの高齢者にとって推奨される強度の運動を行うことは難しい。本研究は、認知機能の維持向上を目的に、高齢者でも実施可能な軽運動の効果を検討するものである。 今年度は若年者を対象に受動的運動の認知機能の向上効果を検討した。実験には30人が参加した(平均年齢21.47 ± 0.78歳、女性28名)。介入群15名と対照群15名に分けて実験を行った。認知機能はストループテストによって、脳血流量を酸素化ヘモグロビンによって評価した。介入群は受動的なペダル運動を10分間行った。運動前後および介入群と対照群間のストループ干渉率の平均値を比較したところ、運動前後(p = 0.51)でも群間(p = 0.51)でも有意な差は認められなかった。逆ストループ干渉率についても、介入前後(p = 0.13)と群間(p = 0.29)で有意な差は認められなかった。このように、受動的運動の実施前後や受動的運動をする群としない群の比較ではストループテストの成績に有意な差は認められなかった。これは脳血流量についても同様の結果であった。 先行研究によって、運動は脳血流を増やしストループテストの成績を向上させる効果があると示されている。それらの先行研究で用いられた運動のほとんどがジョギングや自転車エルゴメーターなどの能動的運動である。低強度運動であっても本研究の運動よりも運動強度が高いと推察される。本研究で採用した受的動運動は、被験者が自分で筋を動かさないため効果的な脳の賦活化につながらなかったことや、運動強度が低く筋収縮が弱いことにより脳血流量の有意な増加に至らなかったと考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大により高齢者を対象とした実験が困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果の発信につとめる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大により予定していた高齢者を対象とした実験が困難であったため。
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